シニアエンジニアの実態を探る
最近、シニアエンジニア層の働き方に関する調査が行われ、40〜60代の600名のITエンジニアからの嬉しい結果が得られました。運営する「レガシーフォース」の株式会社モロの調査によれば、年下管理職からのマネジメントへの柔軟な姿勢や、出社の条件に対する関心の高さが浮き彫りとなりました。さらに、ベテランエンジニアの間にはキャリアに対する不安が広がっていることも明らかになりました。
年下管理職への抵抗感
調査によると、シニアエンジニアの72.4%が年下管理職からのマネジメントに対して特に抵抗を感じていないことが分かりました。そのうち、「歓迎する」と考える人も約9%に上ります。「マネジメントが難しい」とされがちなシニア層ですが、実際には年下の上司との関係構築に前向きな姿勢を持つことが調査から伺えます。この結果は、企業の若手リーダー育成戦略と人材活用にも新たな視点を提供するかもしれません。
働き方の選択肢
調査では、シニアエンジニアの約52.7%が高い給料であれば出社しても良いと答えています。この結果は、金銭的な価値が働く場所の選択に大きく影響することを示しています。一方で、年代が上がるにつれて、収入よりも理想的な働き方を重視する傾向が強まっています。特に60代では「給料が下がってもリモート」を希望する人が34%に達しました。
また、実際の勤務形態を見てみても、「完全出社」を選択している人は29.7%と、フルリモートと比較しても拮抗していますが、理想の勤務形態に関してはフルリモートが36%に増加している結果となりました。これにより、現実と理想の間に明確なギャップが存在することが分かります。
キャリアに対する不安
驚くべきは、約8割のシニアエンジニアが何らかのキャリア不安を抱いているという点です。「年齢が理由で仕事がなくなるかもしれない」という懸念が44.5%と最も多く、続いて「技術の変化について行けず自分のスキルが古くなる」ことが33.7%、そして「年収が下がるかもしれない」という不安も30.5%に上ります。これは、技術革新や市場環境に対する強い不安を反映しています。
まとめ
株式会社モロの代表取締役、前田洋平氏は今回の調査を通じて、シニアエンジニアの柔軟な働き方の姿勢を肯定的に評価しています。同時に、キャリア不安を抱えるシニア層の実態を知ることができたことで、業界全体の発展に向けた課題意識を持つことが大切であると強調しています。これからの日本のIT業界において、熟練したシニアエンジニアたちがどのように活躍していくのか、注目が集まるところです。
詳細な調査結果については、「レガシーフォース」の公式サイトをご覧ください。調査結果の要約も掲載されています。
レガシーフォース 調査結果