済生会が「ZEST」を活用し訪問看護業務のDXを推進

社会福祉法人済生会が「ZEST」を導入し訪問看護を支援

近年、日本社会は少子高齢化に伴い、在宅医療や訪問看護のニーズが急増しています。一方で、労働力不足や働き方改革といった課題が深刻化し、医療や福祉の現場はより効率的な運営を求められています。このような背景の中、社会福祉法人恩賜財団済生会は、株式会社ゼストが提供するDX（デジタルトランスフォーメーション）プラットフォーム「ZEST」を導入し、訪問看護業務の効率化に取り組み始めました。

導入の背景と目的

済生会では、令和4年3月に策定した「DXに対する対応方針」に基づき、組織および業務プロセスの改革を進めることを決定しました。訪問看護は特に課題が多く、利用者の増加によりスケジュール管理が複雑化し、業務負担が増大しています。そのため、訪問看護ステーション向けに「ZEST」の導入を進めることにしたのです。2025年2月から、全国の事業所において「ZEST」の導入が開始される予定です。

ZESTの機能と効果

「ZEST」は、在宅医療・介護業界に特化した収益改善をサポートするプラットフォームです。このクラウド型サービスでは、訪問スケジュール作成を自動化し、データを活用することで収益の最大化を図ります。この技術により、訪問看護ステーションは業務の効率化を実現し、稼働率の向上や職場環境の改善といった効果が期待されます。具体的には、スケジュール作成の効率化によって、訪問件数の増加や業務負担の軽減が可能となります。

今後の展望

現在、試験的に導入が進められている事業所からの効果を検証することで、全国のより多くの訪問看護ステーションにおける業務改善を目指します。また、「ZEST RRM」の展開により、営業DXの強化を図り、収益性の向上にも注力していく予定です。この取り組みにより、職員がより柔軟に働ける環境を整え、地域貢献を果たすことで、持続可能な医療・福祉の提供体制を確立することが期待されています。

関係者の意見

済生会本部のデジタル推進課に所属する髙橋洋平様は、訪問看護の業務効率化は喫緊の課題であり、「ZEST」がその解決につながると確信しています。実際に、多くのステーションから積極的な反応があがっており、訪問スケジュール管理の重要性が再認識されています。収益性の問題を抱える事業所においても、DXを通じた生産性向上が期待され、地域へのさらなる貢献が可能になるでしょう。

株式会社ゼストの取り組み

「ZEST」は、在宅医療・介護業界における収益改善のためのプラットフォームとして、AIを活用した自動スケジュール作成を行い、スタッフが快適に働ける環境を整えるためのシステムを提供しています。また、業界特化型の営業DXクラウド「ZEST RRM」や多職種連携を支援する「ZEST MEET」など、多様なサービスを展開しています。これらの取り組みは、医療現場の収益最大化を実現し、地域における質の高いサービス提供に寄与しています。

総じて、社会福祉法人済生会の「ZEST」導入は、訪問看護の現場における業務効率化とサービス向上を目指す重要なステップです。今後の進展に注目が集まります。