ScalarDB 3.16がリリース!
2023年に入り、株式会社Scalar(本社:東京都新宿区)は、データベースの統合を促進する新バージョン、ScalarDB 3.16をリリースしました。これにより、企業はデータの活用においてさらなる柔軟性と効率性を手に入れることができます。新バージョンの特徴的な機能には、遠隔レプリケーション機構の追加、DatabricksやSnowflakeなどのデータレイクハウス製品への対応、トランザクション処理性能の向上が含まれています。
遠隔レプリケーション機構の導入
新たに追加された遠隔レプリケーション機構により、ScalarDBはプライマリデータセンターと独立したセカンダリ拠点へのデータベースのニアリアルタイム複製を可能にしました。この機能は、自然災害や予期せぬシステム障害が発生した場合でも、セカンダリ拠点での業務継続を容易にし、事業継続計画(BCP)を大幅に向上させることが期待されます。さらに、RPO(Recovery Point Objective)を0秒に近づけ、RTO(Recovery Time Objective)を数秒単位に短縮することで、迅速な復旧が実現可能です。
データレイクハウスへの対応
また、ScalarDB 3.16では、データ分析基盤として知られるDatabricksやSnowflakeへの対応が新たに追加されました。これにより、構造化データと半構造化データを含む広範なデータソースを活用しやすくなり、企業はリアルタイムな意思決定から高度な分析まで、より幅広いデータ活用が可能となります。この機能拡張は特に、金融業界や流通業界など、迅速なデータ活用が求められる分野において大きなメリットをもたらします。
トランザクション処理性能の向上
ScalarDB 3.16では、トランザクション処理の性能が大幅に改善されており、データベースの特性を考慮した新しい実行機構を採用することで、処理の速度が飛躍的に向上しました。これにより、トランザクション処理のオーバーヘッドが削減され、より迅速なデータ処理が実現しました。さらに、今バージョンでは「Read Committed」分離レベルが新たにサポートされ、業務特性に合わせた柔軟な運用が可能となります。
従量課金モデルの導入
ScalarDB Analyticsも進化し、従来のライセンスモデルに加え、AWS Marketplaceにおいて従量課金(Pay-As-You-Go)モデルでの提供が開始されました。この機能により、利用したリソースに基づいた時間単位での課金が行えるため、企業は必要に応じてスケーラブルなアプローチでの導入が可能になります。
今後の展望
今後、ScalarDBはさらなる機能強化を目指し、データの統一管理を実現するカタログ機能の強化や、認証・認可のロール機能の導入を進めていく見込みです。これにより、企業全体でのデータガバナンスをさらに深め、様々な業務領域への展開が見込まれています。
まとめ
ScalarDB 3.16は、企業のデータ活用戦略を一層強化し、様々なビジネスシナリオへの適用を可能にする次世代のデータ基盤としての役割を果たします。今後の展開に目が離せません。詳細は
ScalarDBの公式GitHubページまたは
ドキュメントサイトを参照ください。