コカ・コーラと豊田自動織機、新たな物流の形を創出
コカ・コーラ ボトラーズジャパン(東京都港区)と豊田自動織機(愛知県刈谷市)は、画期的な4本フォークタイプの自動運転フォークリフトを、国内で初めて実用化しました。2024年5月9日、山梨県北杜市にあるコカ・コーラ ボトラーズジャパン白州工場倉庫にて、この自動運転フォークリフトの運用が始まりました。これにより、物流現場における自動化の一歩が踏み出されました。
自動運転技術の進化
両社は、本フォークリフトの稼働に向け、2024年の9月から実証実験を行ってきました。トラックへの荷物の積載時に問題となるのが荷ズレです。数ミリのズレが起こることで、荷崩れのリスクが高まるため、その精度向上が求められていました。この課題に対し、トラックへのアプローチ制御やサイドシフト機構の改良が行われ、隙間を作らずに積載するための技術が確立されました。
その結果、有人作業と同等の積み付け品質が保たれることとなり、自動運転でも安全な荷役・搬送作業が可能となりました。この実現により、この自動運転フォークリフトが本格的に活用されることとなったのです。
夜間でも安心の運用
夜間は通常、人員の確保が難しい時間帯です。このような時間帯でも安心して運用を行える機能が備わっているため、出荷体制の強化が期待されています。これにより、昼夜を問わず、安定した作業が可能となり、物流の効率化が進むでしょう。
自動倉庫化の推進
コカ・コーラ ボトラーズジャパンでは、自動倉庫化の推進を進めており、製品製造から倉庫保管までの工程においてすでに自動化が進んでいます。本自動運転フォークリフトの導入により、ついに製造から出荷までの全工程が自動化されることとなりました。これにより、物流全体がより効率的に運営できるようになります。
社会課題への貢献
今後、両社はこのプロジェクトで得た知見を活かして、自動化や効率化を進めることにより、社会の抱える課題にも寄与していく考えです。特に、近年注目されている「物流2024年問題」に対して、労働力不足の解決策を提供できるよう努めていきます。
この自動運転フォークリフトは、業界の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。今後の動向に目が離せません。