日本の文化共創プロジェクト『Earth ∞ Pieces』、イタリアでの公演が決定
音楽が持つ力は、文化を越えたつながりを生むものです。『Earth ∞ Pieces』(アース・ピースィーズ)は、そのコンセプトを具現化するプロジェクトとして、2026年冬季パラリンピックの公式文化プログラムに認定されました。このプロジェクトが求めるのは、多様な人々が共に協力し、音楽を通じて喜びを分かち合う社会の実現です。
ミラノでの開催概要
このプロジェクトの第2章となる公演は、2026年3月15日(日)にイタリアのミラノ、Teatro dal Verme(テアトロ・ダル・ヴェルメ)で上演されます。この劇場は、かつてヴェルディやプッチーニの初演が行われた歴史的な場所で、音楽の聖地とも言える文化拠点です。120名の障害のある音楽家が参加し、地域と国際的なアーティストが一堂に会するこのイベントは、日本のアートと音楽が世界に発信される第一歩となります。
プロジェクトの理念
本プロジェクトは「喜びの歌(第九)」をモチーフに、世代や障害、音楽経験にかかわらず、誰もが参加できる新たな音楽会の形を提唱しています。例えば、2024年に横浜で行われたワールドプレミアでは、さまざまなバックグラウンドを持つ28名が一つの音楽を奏で、多様性と調和を感じさせる合奏が行われました。このように、音楽を通じての共生と協力の精神が、次々と新しいネットワークを生み出しています。
ミラノ公演のキーパーソン
イタリアでは「Allegro Moderato(アレグロ・モデラート)」という協同組合型音楽学校がプロジェクトの中心となっており、音楽教育の先進国であるイタリアの強みを生かして、地域コミュニティとの共創を図っていきます。また、非営利文化組織「Komorebi(コモレビ)」もこのプロジェクトの重要なパートナーとなります。彼らの理念である「すべてのものに第二の人生を」という考え方が、ミラノの舞台でどのように実現されるのか、興味が尽きません。
特別講義の開催
ミラノ公演の決定を記念して、東京文化会館では特別講義が開催されます。これは、音楽を通じてインクルーシブな社会を築くためのノウハウを共有する場であり、イタリアのディレクター、ルカ・バルダン氏とスローレーベルの栗栖良依が登壇します。音楽の力が持つ社会的な役割、そして未来を共に創る可能性についての意見交換が行われます。この特別な機会は、音楽プロフェッショナルにとっても必見です。
最後に
音楽がもたらすつながりの力と、その先にある共生のビジョンを多くの人と共有していくために、私たちもこのプロジェクトに関心を持ち、応援していきたいと思います。『Earth ∞ Pieces』の今後の展開に目が離せません。
詳しくは、公式サイトや関連情報をチェックしてみてください。