横浜市、全ての小学校に読み放題の電子図書館『Yomokka!』を導入
横浜市は、株式会社ポプラ社が提供する読み放題型電子図書館『Yomokka!(よもっか!)』を、2025年7月から全ての市立小学校、義務教育学校、特別支援学校に導入することを発表しました。この取り組みは約17万人の児童生徒に対して、読書機会を拡充することを目指しています。
読書の新たな選択肢
『Yomokka!』は、一人一台の端末を活用することで、物理的な制約を超えた読書体験を提供します。これにより、同じ本を複数人数で同時に読むことが可能になり、授業や学びの場での応用範囲が広がります。さらに、学校図書館が不足しがちな本の代わりに、43社から提供される約5,000冊の書籍が読み放題で利用できるようになります。こうした環境は、子どもたちが多様な興味を持つことを助け、読書の楽しさを広げることが期待されています。
読書状況の可視化
『Yomokka!』では、利用者となる子どもたちの読書量を把握できるため、教育現場での指導に役立てることが可能です。冊数やページ数、読書時間などを確認できる他、個々の読書履歴が保存され、感想なども記録できます。この情報は、教師や保護者のサポートにもつながります。
アクセシビリティへの配慮
特に注目したいのは、この電子図書館がもたらす「読書バリアフリー」への試みです。子どもたちが利用できる本は、図解や文字を拡大したり、色を調整したりすることができます。また、一部の本には音声読み上げ機能がついており、視覚的に困難を持つ子どもたちにも配慮しています。
試行導入の成果
横浜市では、2024年7月から試行導入が行われ、実際に導入校では読書量が飛躍的に増加しました。一人あたりの電子書籍利用冊数が、月平均約20.7冊に達しており、全国平均の約1.5倍となっています。試行校からは、子どもたちが積極的に本に親しむ様子が見受けられ、学校図書館への来館者数や貸出冊数も向上していることが確認されています。
信頼の評価
『Yomokka!』を利用した子どもたち、教職員、保護者からは多くの好意的な意見が寄せられています。保護者からは、電子書籍で読んで気に入った本を、実際の書店で購入するきっかけになったという声も多く、読書の楽しさを広げる効果が実感されています。
今後の展望
『Yomokka!』は、子どもたちに新たな読書の選択肢を提供することを目指しています。今後は、得られる読書データをもとに、より良い学校環境作りへと活用していく方針です。横浜市教育委員会とポプラ社は協力して、この新しい形の図書館を進化させ、子どもたちの自発的な学びをサポートしていくことでしょう。
まとめ
横浜市の全小学校での『Yomokka!』導入は、教育現場に新たな風を吹き込む出来事です。子どもたちが自由に本を手にし、知識を深め、興味を広げるための素晴らしい機会が提供されることに、期待が寄せられています。