関節炎治療薬新承認
2025-09-12 11:54:40

アッヴィ、若年性特発性関節炎治療薬の新たな承認申請

アッヴィ、若年性特発性関節炎治療薬の新たな承認申請



アッヴィ合同会社(東京都港区、本社)は、このたび、ウパダシチニブに関する適応追加の申請を行いました。対象となるのは、「多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」(以下、pcJIA)です。この疾患は、自己免疫疾患の一種であり、日本でも指定難病として認識されています。ウパダシチニブは、関節リウマチなどの治療に既に使用されている薬剤で、今回の申請は日本を含めた国際共同の第1相試験や海外の研究結果をもとにしています。

若年性特発性関節炎とは?



若年性特発性関節炎(JIA)は、16歳未満の子供に発症し、原因不明な慢性関節炎が6週間以上持続する疾患です。JIAは国際的な基準に基づいていくつかの病型に分類されており、特にpcJIAは、JIA全体の約30%を占めることが知られています。pcJIAは、5つ以上の関節が影響を受ける状態を指し、これには様々な型が存在します。病状が進行すると、機能障害や発育障害、関節の変形が生じる可能性があります。

この疾患の症状には、跛行や起床時のこわばり、関節の腫脹、運動機能の低下などがあり、青少年の患者にはうつ症状が見られることも多いです。適切な治療が行われないと、これらの症状が成人期にまで続き、生活の質に大きな影響を及ぼすことがあります。

現在の治療状況とニーズ



現在、JIAの治療には根治的な方法が存在しませんが、主な治療目標は「臨床的寛解」を達成することです。ただし、多くの患者は寛解状態に至れず、場合によっては治療への耐性を失うこともあります。このため、特に小児患者に対しては、飲みやすい経口薬など、新たな治療選択肢に関するニーズが高まっています。

アッヴィはこのような背景を受け、ウパダシチニブのpcJIAに対する適応追加を申請したのです。

申請の根拠となる試験結果



申請の根拠として用いられたM15-340試験は、2歳から18歳未満のpcJIA患者におけるウパダシチニブの薬物動態、安全性、忍容性を評価することを目的としています。この試験は、非無作為化・非盲検方式で行われており、3つのパートから構成されています。第1パートでは、治療によって得られた効果と安全性が確認され、以降のパートで長期的な安全性と耐容性が評価されます。

一方、海外で行われたM16-049試験では、アトピー性皮膚炎の小児患者を対象とし、ウパダシチニブの安全性、薬物動態と耐容性が評価されています。このデータを基に、pcJIAの患者における用法・用量が更新されました。

ウパダシチニブについて



ウパダシチニブは、アッヴィが開発した選択的ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤で、複数の免疫関連疾患の治療薬として承認を受けてきました。具体的には、関節リウマチをはじめ、アトピー性皮膚炎や潰瘍性大腸炎など、様々な疾患に対して治療が可能です。日本国内での承認は、2020年から始まり、適応症の拡大が進んでいます。

アッヴィのビジョン



アッヴィは、革新的な医薬品の開発を通じて人々の健康課題の解決に取り組んでいます。特に免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケアなどの分野に焦点を当てており、今後も新たな治療法の開発に力を入れていくことでしょう。

今後のウパダシチニブの開発と承認が進むことで、多くのpcJIA患者が新たな治療の可能性を享受できることを期待されます。

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