巨細胞性動脈炎治療薬
2025-06-24 14:48:18
ウパダシチニブ、巨細胞性動脈炎治療薬として新たに承認取得
新たな治療選択肢、ウパダシチニブが登場
アッヴィ合同会社は、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬であるウパダシチニブ(販売名:リンヴォック)が、巨細胞性動脈炎(GCA)治療薬として日本での適応追加承認を取得したと発表しました。これにより、巨細胞性動脈炎に苦しむ成人患者にとって、新たな治療の選択肢が増えることになります。
巨細胞性動脈炎とは?
巨細胞性動脈炎は、自己免疫疾患で、側頭動脈や大動脈などの血管に炎症を引き起こす病気です。高齢者に多く、特に50歳以上の女性に多く見られる傾向があります。この病気は、頭痛や顎の痛み、視力の低下など深刻な症状を引き起こします。
従来は、副腎皮質ステロイドが主な治療法とされているものの、約30〜50%の患者が再発することがあります。さらに、長期にわたるステロイド治療は副作用や合併症を引き起こす可能性があるため、治療には慎重な配慮が求められます。このような課題に直面する中、新たにウパダシチニブが承認されたことは、患者にとって非常に意義深いニュースです。
ウパダシチニブの特徴
ウパダシチニブは経口投与の160mgの薬剤で、1日1回の服用が可能です。この薬は、従来のステロイドに代わる選択肢として期待されています。本剤は、特にJAK1を選択的に阻害し、炎症を抑える働きがあります。
中間的試験データに基づけば、ウパダシチニブは既存治療で効果不十分な患者においても良好な結果を示しているようです。これにより、患者の生活の質(QOL)の向上が期待されます。
他の適応症
ウパダシチニブはすでに、関節リウマチや乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎など、さまざまな免疫疾患に対して適応承認を受けています。今回の承認により、その適応症は8つに増え、より多くの患者に役立つことが期待されています。
将来的な展望
アッヴィは今後も、自己免疫疾患などの新たな治療法の開発を目指します。巨細胞性動脈炎という厳しい病状を抱える患者にとって、ウパダシチニブの登場は、治療の選択肢を広げる大きな一歩となります。これからの展開に期待が寄せられています。
詳細な情報に関しては、clinicaltrials.govやアッヴィの公式ウェブサイトを参照してください。