岡山大学と岡山理科大学が共催するデジタル革新セミナー
開催詳細
国立大学法人岡山大学と岡山理科大学は、デジタル技術を活用したものづくりの革新をテーマとしたセミナーを2024年12月26日に開催しました。このイベントは、岡山県と連携したおかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム、OI-Startの一環として行われ、63名の企業関係者が参加しました。
セミナーの目的と内容
このセミナーの目的は、デジタル技術を用いた設計・製造の革新に関する事例を発表し、企業と研究者とのネットワーク形成を促進することです。開会時には、OI-Startの会長である岡山大学の野上教授が挨拶し、続いて岡山理科大学の折田センター長が同大学の研究推進活動について紹介しました。
研究者による講演
セミナーでは、まず大学や高専からの研究者4名がそれぞれの最新研究成果を発表しました。
- - 岡山理科大学の寺野元規准教授は、「塑性加工における数値シミュレーションの利用」について紹介しました。
- - 岡山県立大の福田忠生准教授は、「鋳造欠陥の発生原因に関する三次元湯流れ解析プログラムの高精度化」を解説しました。
- - 一方、本学の児玉紘幸講師が「データ駆動型ものづくりシステムの開発と応用」を説明し、津山工業高等専門学校の関一郎准教授は「鉄鋼材料の水素脆化の確認手法」について発表しました。
これらの講演を通じて、参加者は最新の研究に対する理解を深め、興味を持って聴き入っていました。
企業参加者による事例発表
続いて、OI-Startの会員企業から4名が壇上に上がり、各社のデジタル技術活用事例やDX推進について発表しました。
- - 株式会社ラピートの重友祥吾氏は、「プレス成型CAEにおけるワークフローのデジタル革新」をテーマに講演を行いました。
- - 株式会社川上鉄工所の川上朋弘氏は、「産官学連携による新工法開発への挑戦」と題し、川上鉄工所のスマート鍛造プロセスの開発経緯を説明しました。
- - ヒルタ工業の吉川修司氏は、「板金プレス部品への最適化シミュレーションシステムの適用」について発表し、オカネツ工業の在本倫規氏も「オープンイノベーションによるAI自律走行の草刈り機開発」の成果を共有しました。
これらの事例は、オフラインでの環境ならではの貴重な情報であり、参加者たちは熱心に耳を傾け、その内容に刺激を受ける様子でした。
意見交換と見学会
講演後には、岡山理科大学工作センターとサイエンスドリームラボの見学が行われ、学生の実習を通じた学びの深さについて理解を深める機会となりました。参加者たちは、意見交換を通じて、さらなる連携やアイデアの発展を目指しました。
今後の展望
OI-Startは、今後も様々な活動を通じて、産学官の共創活動を推進し、広くイノベーションの創出に寄与する人材の育成に取り組んでいく予定です。岡山大学と岡山理科大学の連携は、地域のものづくり業界を盛り上げ、デジタル化を進める重要な役割を果たしています。