特定技能ドライバー制度のためにベトナムで日本式運転教育を開始!
有限会社羽生モータースクールと株式会社広沢自動車学校が、ベトナム全土で展開する「特定技能(自動車運送業)」制度に向けて、日本式運転教育プログラムを共同開発しました。この取り組みは、今後入国が本格化する外国人ドライバー制度において、ベトナム人ドライバーの運転安全性を向上させることを目的としています。
プログラムの背景
特定技能制度は、外国人が日本でトラックやバス、タクシーの運転手として働くための仕組みで、2024年12月から運用がスタートします。運転手不足に悩む物流業界や公共交通機関にとって、外国人ドライバーの受け入れは新たな人材確保の手段となっています。しかし、出身国の交通教育水準が低いため、日本の運転マナーをどのように伝えるかが大きな課題でした。
プログラムの詳細
新たに開発されたこの運転教育プログラムでは、ベトナムの教習所で日本式の運転技術を身につけることが可能です。具体的には、左側通行や日本特有の運転マナー、さらには「乗車前の安全確認」や「運転姿勢の調整」といった基本的な教育から始まります。これにより、ベトナムで運転教育を受けた人が日本に来る前から、日本の運転に適応する準備を整えることができます。
プログラムに参加した者は、日本に来日した後、運転に関する免許取得を速やかに行えるようになるため、来日前に50時間以上の教育を受けることが求められます。教育には、座学と実技が含まれており、両教習所の登録支援機関である株式会社テトラ・シフトや株式会社シンク・スリーが協力して実施されます。
教育の体制
ベトナム国内において、このプログラムを実施するにあたり、ベトナムの教習所では日本人指導員が日本式の運転技術を教えます。そして、その指導を受けたベトナム人指導員が、現地の生徒に対しベトナム語で実技指導を行います。特に左側通行が通常の右側通行に比べ異なるため、現地の教習所のコースを一時的に貸し切り、実際に運転練習を行います。
これにより、参加者は日本の交通ルールと安全運転をしっかりと身に付けることができ、来日後の免許取得もスムーズに進むことが期待されています。実際に日本で運転をするために必要な技能を早期に習得することで、事故のリスクを低減し、安全な運転を実現する意図があります。
各社の取り組み
羽生モータースクールと広沢自動車学校は、それぞれの地域で異なるノウハウを活かし、運転教育の質を向上させるために協力を重ねています。羽生モータースクールは、大型免許取得において優れた実績を持ち、充実したドライバー教育を提供しています。一方で、広沢自動車学校は初心者運転者の事故率を大幅に減少させるなど、安全教育に特化した取り組みを行っています。
今後、これらのプログラムを通じて、日本国内の物流業界が抱える人手不足の課題解決に寄与していくことが期待されています。この特定技能ドライバー制度の導入は、業界全体に新しい風を吹き込むことになるでしょう。各社の取り組みが連携し、さらに多くの優秀なドライバーを輩出することが、これからの日本にとって重要なステップとなるのです。