FarnellのMCXシリーズとFRDM開発ボードの新展開
2025年5月7日、東京にてFarnellは、NXP® Semiconductorsによる新しい汎用MCUシリーズ「MCX」をポートフォリオに加えたことを発表しました。このシリーズは、産業用およびIoTデバイス向けに設計されており、魅力的な開発ボードも新たにラインアップされ、設計エンジニアたちの創造性を刺激します。
MCXシリーズの特徴
MCX Aシリーズには、MCX A13x、A14x、A15xが含まれており、メインストリームで使いやすいMCUを提供。これにより、産業用センサー、モーター制御、バッテリーやハンドヘルド電源システムのコントロール、さらにはIoTデバイスの組み込みアプリケーションに最適な機能が搭載されています。さらに、Arm® Cortex®-M33を採用しているため、低消費電力でありながら広範囲な用途に対応。また、強化された電源アーキテクチャによって、効率的な電力管理が実現可能です。
MCX Cシリーズはパフォーマンスとコストを両立させた設計で、エネルギー効率を高めながら、USB及びセグメントLCDを備えた柔軟性のあるメモリ構成が特徴です。これにより、多様な用途に対応可能です。
さらに、MCX Nシリーズは高度に統合されたデバイスを特徴としており、低消費電力ながら高性能を実現しています。特筆すべきは、機械学習アプリケーションに対応したNXPのeIQ® Neutronニューラルプロセッシングユニット(NPU)が搭載されている点です。これによって、インテリジェントな周辺機器との連携が容易になり、マルチタスク処理が向上します。
MCX Wシリーズは、接続されたデバイス用のセキュアなワイヤレスMCUで、Matter™、Thread®、Bluetooth® Low Energy、ZigBee®といった技術に対応。在宅用のスマートデバイスやビルのオートメーション、スマートエネルギー関連製品の開発を支援します。
開発の自由を実現するFRDM開発ボード
Farnellによって新たに強化されたFRDM開発ボードは、各MCUの機能を最大限に引き出すために設計されており、MCUXpresso開発者エクスペリエンスをサポートします。これにより、開発者はコンパクトなボードで素早くプロトタイピングすることが可能になります。業界標準のヘッダーとMCU-Linkデバッグプローブを搭載することで、プログラミングやデバッグも簡単に行えます。
このボードは、豊富なソフトウェアサポートも受けており、MCUXpressoエコシステムが提供する多様なツールを使用できます。開発者は、Visual Studio CodeやNXPのEclipseベースのIDEを利用することができ、これにより開発プロセスが一層スムーズになります。
最後に
Farnellのグローバル製品部門ディレクター、ホセ・ロク氏は、「新しいMCXマイクロコントローラの追加は、設計エンジニアにとっての重要な選択肢となるでしょう。」と述べており、MCXシリーズは今後の産業やIoT市場での基盤となることを目指しています。これにより、エンジニアたちが新たな技術を駆使し、限りないイノベーションを促進する手助けができるでしょう。MCXシリーズおよびFRDM開発ボードは、Farnell、Newark、element14などのプラットフォームで購入可能です。詳細については、Farnellのウェブサイトをご覧ください。