トヨタ自動車とJootoが共同開発した新たな業務管理ツールの全貌

トヨタ自動車が導入を決定した業務管理ツール『標準の箱』は、株式会社PR TIMESの提供するタスク・プロジェクト管理ツール『Jooto』と共同で開発されました。この新しいツールは、トヨタ生産方式（TPS）の思想を基にしており、社内の業務の標準化と改善を推し進めることを目的としています。ここではその背景や具体的な機能について詳しく見ていきます。

開発の背景

トヨタ生産方式は、実に多くの業種で応用が可能な経営哲学であり、お客様に対し良い商品を安く、そしてタイムリーに提供することを掲げています。この考え方は、製造現場のみならず、人事や経理などの間接部門にも広がりつつあり、2020年からは事務・技術系社員向けの研修『TPS道場』が展開されています。その中で重要なのが業務の可視化です。

この度、Jootoが開発した『標準の箱』は、TPSの思想を具体化し、業務の流れを一つの図に集約することで、現場の改善を効率化します。このプロジェクトは2023年8月から始まり、900名以上のトヨタ社員が現在も活用中です。

ツールの機能

『標準の箱』の最大の特徴は、TPSの考え方に沿った業務標準の“見える化”と“共有”を実現することです。具体的には、次のような機能があります。

- 物と情報の流れ図を容易に描画可能。
- 業務標準を“見える化”し、社内での共有を促進。
- 標準に基づいた業務の進捗や成果物、異常処理の履歴などを一元管理。

これにより、作業の進捗状況や異常がリアルタイムで把握でき、迅速な対応が可能となります。特に品質保証や開発に携わるメンバーからは、「使いやすい」との評価が寄せられています。

TPS道場への導入

2026年1月より、トヨタ自動車の『TPS道場』において本ツールが正式に導入される予定です。この研修は事務・技術系社員を対象としており、TPSの知識を業務に活かすための非常に重要な場です。このように研修と実務を結びつけることで、ツールの実践的な活用が促進されると共に、業務全体の生産性向上が期待されています。