NECネクサソリューションズが描くものづくりの未来
近年、製造業におけるデジタル化が進展する中で、NECネクサソリューションズ株式会社(以下、NECネクサ)が提供するPLMソリューション「Obbligato」が、伊藤超短波株式会社(以下、伊藤超短波)の製品開発に新たな風を吹き込んでいます。ここでは、その導入背景や成果、そして今後の展望について詳しく見ていきます。
1. 伊藤超短波の背景・課題
伊藤超短波は、高品質な医療機器の開発・製造を手掛けている企業で、特に超音波や電気刺激を活用した治療器やリハビリ機器に強みを持っています。しかし、同社では長年にわたりアナログ方式での設計図面や部品表のやりとりが行われており、これが開発効率を低下させる一因となっていました。
特に、設計図面の検索や情報の共有作業が煩雑であり、これが間接業務を増大させ、工数に悪影響を及ぼしていたのです。市場の変化に迅速に対応するためにも、これらの課題を解決し、間接業務の大幅削減が急務でした。
2. PLMソリューションの導入
NECネクサは、伊藤超短波のニーズに応えるべく、PLM(Product Lifecycle Management)ソリューション「Obbligato」を提案しました。Obbligatoは製品データを一元的に管理し、情報の検索や共有を効率化する機能を持ちます。また、伊藤超短波が利用する機構設計ツール「SOLIDWORKS」と、回路設計ツール「Quadcept」とのシステム連携も実現されています。
これにより、設計図面の電子化が進み、従来の紙ベースの業務から脱却。これまでの手作業による印刷やファイリングが不要となり、業務のスピードと効率が大幅に向上しました。そして、設計情報の伝達ルールが統一されたことで、部品情報の検索性が改善され、設計検証もスムーズに実施できるようになりました。
3. 導入効果と成果
「Obbligato」と「SOLIDWORKS」・「Quadcept」の連携によって、間接業務の大幅削減が実現しました。以下に、具体的な成果をまとめます。
- - 業務の効率化: これまでの設計図面や部品表の検索・共有に関わる手間が劇的に減少。
- - デジタル化の推進: 設計図面の電子化が実現し、物理的な出力作業が不要になりました。
- - 情報伝達の向上: メカ・エレキ部品の情報がシームレスに伝わり、設計から生産までの流れがスムーズに。
- - 審査業務の迅速化: システム上で行われる図面確認により、場所を問わず審査が可能となりました。
- - 開発履歴の管理強化: ワークフローの設計により、申請・承認が適切に管理されています。
これらの効果により、企業としての競争力を高めることに成功し、時代の変化に柔軟に対応できる体制が整いました。
4. 今後の展望
NECネクサソリューションズは、これからも伊藤超短波と共にものづくりのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していく方針です。競争が激化する医療機器市場において、持続的な成長を実現するため、さらなるシステムの最適化や新たな技術の導入が期待されます。企業のスピード感を高め、より良い製品を早く市場に届けるための取り組みは続いていきます。
まとめ
NECネクサソリューションズのPLMソリューション「Obbligato」とその周辺の連携システムによる、伊藤超短波のものづくりDXの取組は、まさに新たな時代の製造業の姿を示しています。デジタル化による効率化、競争力強化は今後、他の企業でも重要なテーマとなっていくでしょう。ものづくりの未来がどう進化していくのか、引き続き注目していきたいと思います。