LIFULL HOME'Sが実現したおとり物件検知の新機能
不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」を運営する株式会社LIFULLが、自社開発したAIを利用して「おとり物件」の検知・自動非掲載機能を実用化しました。この取り組みは、2025年1月9日から本格稼働し、不動産業界が抱える重要な課題の解決に向けた一歩となります。
おとり物件の問題とは?
不動産市場における「おとり物件」とは、実際には募集が終了している物件が広告に掲載され、利用者に混乱を招く状態を指します。この現象は、不動産会社がリアルタイムで物件の状況を把握しきれないことや、情報の更新漏れが主な原因とされています。LIFULL HOME'Sでは、この課題の解決に向けた様々な施策をこれまでに行っており、月に10万件以上の変更があった物件情報を自動で非掲載にする取り組みを続けてきました。
自社開発AIによる新たなアプローチ
新たに導入されるAI技術は、2019年から研究が進められ、過去の広告掲載情報や独自調査による募集状況を学習させることで、より精度高く「おとり物件」を検知することが可能です。特に、これまでの手法では検知が難しかった「1社しか掲載していない物件の募集終了」や、「実際には存在しない架空物件」の判別ができるようになります。この技術の導入によって、「LIFULL HOME'S」は物件情報の鮮度を高め、利用者に信頼できる情報を提供することが期待されています。
長期にわたる開発と実績
おとり物件検知AIは、2022年からの実際のデータを基に精度検証を重ねてきました。2023年10月から2024年9月にかけて実施された調査では、アルゴリズムが高い精度でおとり物件を検知していることが確認されました。この新機能が機能を開始する際には、東京都内の物件を対象とし、学習データの中でも特にスコアが高い物件に限定して検知を行います。
透明性を生む取り組み
LIFULL HOME'Sでは、他の不動産管理会社とも連携を進めており、物件情報の透明性と正確性を向上させるための体制を整えています。広告掲載から募集終了までの物件情報をしっかりと管理することで、ユーザーにとっても快適な住まい探しを実現することが目標です。
ユーザーへの期待
LIFULLの代表取締役社長・伊東祐司氏は、「おとり物件の存在は、住まい探しを行うユーザーにとってコストや時間のロスを引き起こす問題です。この新しい取り組みを通じ、私たちはユーザーに対して、より良い居住環境を提供することを目指します」と述べています。今後もLIFULL HOME'Sはテクノロジーの進化を活かし、「物件鮮度No.1」を目指してまいります。
まとめ
LIFULL HOME'Sが導入する自社開発AIによるおとり物件検知機能は、賃貸市場における重要な課題に対する大きな解決策となることが期待されます。今後、AI技術を駆使した新たな住まい探しのスタイルが確立されることに期待が寄せられる中、事業部門とデータサイエンス部門の協力によって、社会課題に真正面から取り組む姿勢が続くことでしょう。