サステナブルな未来に向けた再生プラスチックの取り組み
再生可能なプラスチック材料の開発が進む中、一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)は、2023年度から新たにOA機器や家電から回収したポリスチレン再生プラスチック(PS再生プラスチック)を使用するプロジェクトを始動させました。この取り組みの狙いや具体的な成果をご紹介します。
1. 開発の背景とJBMIAの役割
JBMIAは、業界の持続可能性を高めることを目指し、再生プラスチックの使用を推進するために、樹脂コンパウンドメーカーとの共同開発を行いました。環境問題への対応が求められる中、プラスチックのリサイクルは重要なテーマです。2020年に設立されたプラスチックマテリアルリサイクルTFは、使用済みプラスチックの循環を図るための活動を行っており、業界全体でのリサイクルシステム構築に取り組んでいます。
2. PS再生プラスチックの特徴
今回開発されたPS再生プラスチックは、OA機器や家電からの回収素材を主成分としており、その90%が使用済み製品由来のハイブリッドPCR(プラスチック回収原料)です。この新しい材料は、UL94規格を取得しており、安全性も確保されたものです。これにより、従来のプラスチック製品に比べて環境負荷を大幅に減少させることが期待されています。
3. 開発の経緯と今後の方向性
開発プロジェクトは、各企業が持つ課題を乗り越えて実現されました。これまでは、各社ごとに使用される材料のグレードや色の統一化が困難であったため、プラスチックの回収と使用が個社単位で行われていました。ハイブリッド化を通じて、これらの課題を解決し、クローズドマテリアルリサイクルを推進しています。今後は、PSプラスチック以外の種類のプラスチック材料にも取り組む予定です。
4. サステナブル社会の実現に向けた今後の展開
新しい再生プラスチックの導入は、オフィスやIT機器業界に新たな風をもたらします。JBMIAは、サステナブルな社会基盤の構築を目指し、イノベーションを推進していきます。業界が一丸となって取り組むことで、SDGs目標12「つくる責任・つかう責任」にも貢献していく所存です。
このプロジェクトを通じて、JBMIAは環境への配慮を深め、持続可能な社会を実現するための取り組みを一層強化していくでしょう。