WAVE1が新たに展開するマンション専用気象防災サービス
株式会社WAVE1は、2025年11月19日からマンション管理組合向けに新サービス「マンション防災なび powered by ウェザーニューズ」の提供を開始すると発表しました。このサービスは、株式会社ウェザーニューズが提供する法人向け気象情報を活用し、災害時における管理組合の意思決定を支援することを目的としています。
生まれた背景—熊本地震の教訓と首都圏の現状
WAVE1がこのサービスを開発するに至った背景には、2016年に発生した熊本地震が大きく影響しています。この地震では、多くのマンションが被害を受け、管理組合が正しい情報をもとに素早く判断を下せない状況が数多くありました。特に、理事長や役員たちが責任を持って住民の安全を守る為に苦労したケースが多く見受けられました。
国土交通省の調査報告によれば、多くの管理組合は被災直後に必要な情報を把握するのに苦慮し、重要な判断を単独で行わざるを得なかったとのことです。これに対し、WAVE1は「災害時に管理組合が情報弱者になってはいけない」という理念のもと、このサービスを構築しました。
また、東京都ではマンションなどの共同住宅に住む人口が約900万人に達している現状を踏まえ、在宅避難の重要性を再認識しています。調査では、多くの住民が自宅に損傷がなければ在宅避難を希望していると回答しており、避難所に行くことを好まないことも浮き彫りになっています。これにより、在宅避難に必要な情報と支援の提供が急務であることが明らかです。
「マンション防災なび」の特徴
「マンション防災なび」は、管理組合が必要とする気象情報や防災情報を一元的に管理し、リアルタイムで関係者全員が同じ情報を共有できるように設計されています。このサービスは、災害発生前から住民の見守りに活用でき、緊急時には管理組合や管理会社が同じ情報に基づいて迅速に対応できる体制を整えています。
主要な機能には、以下の情報が含まれています:
- - 管理組合の所在地に応じた気象・防災情報を自動収集
- - 1時間ごとの天気予報
- - 警報や注意報、土砂災害情報
- - 雷警戒情報や熱中症リスク情報
- - 24時間の積算降水量
- - 停電リスク予測
さらに、サービス提供に先立ち、対象となる管理者へモニター調査を実施した結果、既存の防災アプリに対する要望が寄せられ、月額1000円以下での利用希望が多数を占めました。実際、住民からは「避難のタイミング」や「備蓄」に関する相談が寄せられており、このサービスが的確に問題解決に役立つことが期待されています。
今後の展望
WAVE1は、「マンション防災なび」を全国のマンション管理組合へ展開し、情報提供だけでなく、管理組合の意思決定を支援する体制を整えていく考えです。また、将来的には防火管理業務をAIで診断・最適化する「防火管理AI診断」との連携も視野に入れています。これにより、災害時における管理組合の迅速かつ科学的な判断が可能になることを目指しています。
このように、「マンション防災なび powered by ウェザーニューズ」は、住民の安全を守るための包括的な支援体制を確立し、今後のマンション管理における新たなスタンダードとなることが期待されます。
トライアル導入プログラムについて
サービス提供開始に併せて、管理会社やマンション管理組合を対象にトライアル導入プログラムが実施されます。参加登録は先着20組合・企業となっており、募集期間は2025年11月19日から12月31日です。参加する団体には現場での利用体験を通じたフィードバックの提供や、新機能の先行利用の特典があります。興味のある方は専用フォームからお申し込みください。これにより、今後のサービス改善に向けた重要な意見が集まることが期待されています。