世界睡眠デーに向けた快適睡眠のための知恵と実践法
毎年3月14日は『世界睡眠デー』として、全世界で睡眠の重要性が広く認識されています。新生活を控えたこの時期、質の高い睡眠を手に入れることで、疲れをしっかりと回復し、元気に始動するための準備を整えたいものです。今回は、日本睡眠学会の専門医である白濱龍太郎先生のアドバイスをもとに、質の良い睡眠を得るための具体的な方法をご紹介します。
スムーズに起きるための環境作り
大正製薬株式会社の調査によると、朝すっきりと起きるために重要な対策は、部屋や寝具の快適な温度調整や湿度管理などが挙げられています。白濱先生も、睡眠環境が重要であると強調されています。理想的な室温は18~23℃、湿度は40~60%です。さらに、布団を温める際は、寝てから約30分〜1時間後に最初の深いノンレム睡眠を得るために、寝る前に電気毛布をタイマー設定することが推奨されています。
日中の行動が睡眠に影響を与える
白濱先生によれば、日光を浴びることは、体内時計をリセットし、体を目覚めさせるのに重要です。朝10時までに5〜30分の日光を浴びると、セロトニンやナイアシンの分泌を促し、活動的な生活をサポートします。また、疲労感を軽減するために、入浴や運動も効果的です。寝る1〜2時間前に38〜40℃のぬるま湯に浸かることで、体温を上げることができ、良質な睡眠に繋がります。そして、1日10分の軽度な運動は、夜のメラトニンの分泌を助け、質の高い睡眠を促す要因となります。
食事のタイミングと内容の見直し
睡眠の質向上に欠かせないのが食事です。朝食には、セロトニンの材料になるトリプトファンを含む納豆やヨーグルト、昼食は血糖値が緩やかに上昇するような食材を選ぶことが大切です。夕食には、GABAやタウリンを含む食材を選ぶことでリラックス効果を得ることができます。特に、タコやイカなどには睡眠の質を調整する因子が含まれており、ぜひ取り入れたい食材です。
水分補給と適切なタイミング
就寝30分〜1時間前に200〜250mlの水分を摂取することで、睡眠の質を高めることができます。冷たい飲み物ではなく、白湯などが良いとされています。また、寝る直前のアルコール摂取は、いびきを引き起こす可能性があるため注意が必要です。適量を晩御飯に合わせて飲むことで、リラックス効果を得ることができます。
快眠への取り組み
睡眠と日中の活動は密接に結びついています。睡眠不足は集中力や判断力の低下を招くばかりか、長期的には認知症のリスクも増加させるとされています。質の良い睡眠は脳脊髄液の流れを促進し、脳の健康を保つためにも欠かせません。
この世界睡眠デーを契機に、睡眠環境や生活習慣を見直し、朝すっきりと起きられる心地よい日々を実現しましょう。質の高い睡眠を手に入れて、健康的な生活を送りたいものです。