目次
1. はじめに
2. セミナー概要
3. マーケティングの新たな視点
4. 観光動線の可視化
5. 千代田区の成功事例
6. まとめ
1. はじめに
訪日外国人観光客が再び日本の魅力に魅了される中、マーケティング戦略の重要性が高まっています。2025年6月17日、ENGAWA株式会社は株式会社ナビタイムジャパンと共に、「訪日外国人観光客の誘致に特化した実践的なエリアマーケティング戦略セミナー」を開催しました。本記事では、その内容をレポートします。
2. セミナー概要
セミナーには約40名の関係者が参加し、データを用いたマーケティング戦略の重要性について深い議論が交わされました。当日は、データに基づくターゲティングと、心を動かすクリエイティブの融合がテーマでした。
具体的には、INBOUNDプロファイラーというツールを使い、訪日外国人に向けた詳細なインサイトを得ることができる方法が紹介されました。これにより、どのようにして訪日観光客の心を掴むかが考察されました。
3. マーケティングの新たな視点
ENGAWA株式会社の代表は、2025年4月の訪日客数が過去最高を記録した要因として、中国市場の回復や欧米豪の富裕層増加を挙げました。しかし、すべての市場が順調に成長するとは限らず、従来の方法を踏襲するだけでは最大のチャンスを逃す可能性があると警鐘を鳴らしました。ターゲットの明確化と、響くクリエイティブを組み合わせることが成功の鍵だと強調されました。
4. 観光動線の可視化
ナビタイムジャパンは、GPSデータを用いた観光動線の変化を示しました。具体的には、北陸新幹線の延伸によって訪問客が増加した敦賀市を事例にし、「新幹線による交通整備がどのように新しい観光動線を生み出したのか」を明らかにしました。このように、交通整備が「点」として存在するだけでなく、どのように観光動線として展開されるかの理解は重要です。
5. 千代田区の成功事例
パネルディスカッションでは、千代田区観光協会が実践している戦略についての事例が紹介されました。多くの訪日客が千代田区を訪れる一方で、日本語中心の情報発信だけでは限界があるという課題に直面していました。
ナビタイムジャパンの分析ツールを活用し、エリア別の来訪者の国籍や嗜好を把握。千代田区の強みとして昼夜を問わず観光客が安定して訪れることが明らかになり、その結果を元にサポートを提供する英字メディアが発信する「ワンデイアイティナリー」が効果を上げました。この取り組みは、実際に訪問者の増加へとつながる成功事例として評価されています。
6. まとめ
セミナーを通じて、データに基づくターゲティングとクリエイティブなアプローチが融合することで、より効果的なインバウンド施策が実現することが示されました。関係者からは、実施後の効果測定やプロモーションの予算について質問が寄せられ、今後の施策に対する関心の高さが伺えました。このような取り組みが、訪日観光のさらなる活性化に寄与することを期待しています。