メタバースと法の融合を探求する新たな授業
早稲田大学法学部が提供する新しい学びの場
早稲田大学法学部では、メタバース空間を活用した寄附講座「メタバースと法」が開講されています。この授業はあいおいニッセイ同和損害保険株式会社の支援を受けており、3年目を迎えています。メタバースを通じて法のあり方を考察し、法律のルール形成を体験的に学ぶユニークな授業です。
VRHMDによる没入体験
授業に参加する学生たちは、VRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)を装着し、仮想空間での法的課題を直に体感します。従来の講義形式では味わえない没入感が、学生たちの理解を深めます。この新たなアプローチは、理論と実務の架橋を目指す文理融合教育とも言えるでしょう。
授業の背景と目的
早稲田大学法学部の肥塚肇雄教授は、この授業を立ち上げる際に「メタバース空間におけるルール形成を体験的に学ぶこと」を目指しました。教授は、現代のメタバースにおけるルール作りの重要性を強調し、実際のメタバース体験を通じて学生たちに新しい法律の枠組みを考えてほしいと考えています。
メタバース教室への一歩
初年度は別のメタバースプラットフォームを用いていましたが、様々な制約があり、十分な互動性を持った授業が行えませんでした。そのため、VLEAPとの出会いが大きな転機となりました。VLEAPが提供する新しいメタバース教室は、アバターを通じて法の問題を体感できる環境を提供しました。
学生たちの体験
特に印象的なのは、学生たちが実際にアバターを用いてハラスメントの体験をする機会があったことです。肥塚教授によると、アバターを通して女性や嫌悪感を抱く存在としての視点を体験することで、法律におけるハラスメント問題について深く理解することができたそうです。このような体験は、現実世界では得られない貴重な学びを提供します。
期待される成果
メタバース空間での授業は、ただの学びの場にとどまらず、議論や意見交換の場としても機能しています。受講生は相互に意見を交わし合い、現代の社会問題について新たな視点を持つようになります。このような環境が整ったことにより、学生たちはより積極的に参加し、自身の意見を発信することが促進されています。
今後の展望
今後、肥塚教授は授業内容をただ繰り返すのではなく、常に新しい挑戦を追求していく考えを持っています。メタバース技術が進化する中、最新の環境を通じてメタバースにおける法の在り方を深入りしていくことが目標です。
新保社長は、今後もVLEAPとして全力でサポートを続ける意向を示しました。この授業が、多くの学生にとって未来の法律家としての視点を培う貴重な場となることを期待しています。
まとめ
メタバースを使った新しい形の法教育は、学生たちに独自の学びを提供しています。実体験を通じて法を理解するという新たな試みは、これからの学びの形そのものを変える可能性を秘めています。今後の展開にも目が離せません。