2025年住宅購入意向に見る中間層の動向と中古市場の活性化
2025年9月に実施された「住まいに関する調査」によって、今の日本の住宅市場のトレンドが浮かび上がってきました。アンケートは全国の20歳から79歳までの男女3,000名を対象に行われ、特に住宅購入に対する意向と現在の住居選びの決め手について焦点が当てられています。
調査結果の概要
調査によると、持ち家主が最も多い居住形態であり、52%が「持ち家戸建て」に住んでいることがわかります。これに続くのが「持ち家マンション」で、14%となっているのが特徴です。2021年に比べて、「持ち家戸建て」の割合はわずかに増加しており、これは今後の住宅市場における戸建て住宅の人気が高まる要因となるでしょう。
特に、多くの人が現在の住まいを決める際の重要な要素として挙げるのが、「最寄り駅の距離」と「商業施設の充実」で、それぞれ30%以上の人がこれを選択しています。一方、周辺の治安や通勤・通学時間といった要素も影響を与えており、満足度の高い居住環境の条件が明らかになっています。
住宅購入意向の低下
興味深い点は、賃貸居住者における住宅購入意向が24%にとどまっていることです。この数字は2023年から5ポイントも低下しており、特に20歳から40歳代の若年層にその傾向が顕著です。高騰する建築資材や人件費、また金利の上昇が影響していると考えられます。しかし、購入したい居住形態としては「戸建て/新築で購入」が最も高く、40%の人が関心を持っています。
さらに、2023年と比較して「戸建て」「マンション」共に中古の購入意向が増加している点が注目されます。「戸建て/中古で購入」「マンション/新築で購入」がそれぞれ25%に上るなど、経済的な観点からも中古市場が活況を呈している様子が伺えます。
リフォームの実態と今後のニーズ
持ち家居住者のリフォーム実施率は40%で、特に高齢者層、特に70代の割合は約70%に達しています。リフォームの内容としては、水回りの改善や屋根・外壁のリフォームが続いており、それに伴うニーズの変化も見逃せません。これは、住宅の価値を保つだけでなく、住環境の質を向上させるための重要な作業と言えるでしょう。
リフォームの需要が高まる中、やはり多くの人が求める内容には壁や床材の交換、汚れや痛みの修繕、さらには全面的なリノベーションに対する期待も含まれるほか、自宅に必要な設備や機能に対する興味も増していることがうかがえます。
まとめ
2025年の住宅購入意向調査は、現在の住まいに対する選択肢が多様化し、人々が経済環境に敏感になっている様子を映し出しています。特に中古物件に対する関心の高まりは、新たな市場ニーズを創出していると言えます。賃貸などの低迷を受けながらも、リフォームや居住形態の見直しを通じて、多くの人がより良い住環境を求めているのです。この流れは今後の住宅市場においてより大きな影響をもたらすでしょう。