月経随伴症状に対する新たな研究成果
2025年11月1日と2日に東京のホテルイースト21で開催される第40回日本女性医学学会学術集会において、株式会社テックドクターとあすか製薬が共同で進めた研究の成果が発表されました。テーマは月経随伴症状であり、この研究はヘルスケアアプリ『4MOON』のユーザーの協力により実施されました。
研究の背景
月経困難症は、多くの日本人女性が経験する一般的な生理症状ですが、そのために医療機関を受診する人は多くありません。その結果、月経痛や倦怠感に悩む女性が十分なサポートを受けられない現状があります。
さらに、最近の研究では、これらの症状がホルモン変動だけでなく生活リズム要因、特に睡眠の質にも大きく影響されることが示されています。
研究方法と指標
本研究では、ウェアラブルデバイスを用ことにより、心拍や睡眠データ、日常活動量を客観的に把握する新たなアプローチを採用しました。また、236名のユーザーによる主観的評価指標も合わせて検証しました。その評価指標は、日本語版月経随伴症状に関する調査フォーム(MDQ)や、EuroQol 5 dimensions 5-level(EQ-5D-5L)などが含まれています。
主要な成果
解析の結果、月経随伴症状の重症度が高い群は、睡眠のばらつきが大きく、痛みが強い群では睡眠の質が悪化する傾向が確認されました。特に、ウェアラブルデバイスを通し、これまでの研究報告の中で知られていた「月経痛に苦しむ女性は睡眠の質が低下する」という関連性を、客観的データによって再現することに成功しています。
社会的意義と今後の展望
この研究は、女性特有の健康問題に対して、より継続的かつ客観的な評価が可能になる新たな道を示しています。月経による症状をデジタルデータを用いて定量的に評価することで、女性たちが適切な治療を受ける機会を増やすことができるでしょう。今後も研究を継続し、より効率的な治療方法の開発に向けて取り組みます。
日本の医療界に新たな風をもたらすこの研究成果が、女性が抱える月経に関する悩みを軽減し、よりよい生活へと導くことに期待が寄せられています。今後の動向に注目が集まることでしょう。
参考情報として、協力したテックドクターとあすか製薬についてのリンクを以下にご紹介します。