化粧品の未来
2025-10-31 11:25:51

化粧品業界の未来を切り開く!PHAを活用した新素材開発に向けた提携

化粧品業界の未来を切り開く



最近、化粧品業界における環境問題が大きく注目を集めています。その中心にあるのが、マイクロプラスチックビーズです。マイクロプラスチックは化粧品に多く使用されている微小なプラスチック粒子で、環境への影響が深刻です。排水処理施設ではこれらの粒子を除去できず、海洋に流出していくため、生態系に悪影響を及ぼします。この問題を受け、欧州では2023年9月にREACH規制が施行され、化粧品におけるマイクロプラスチックの使用が段階的に禁止されています。2035年までにはメイクアップ製品全般への禁止が見込まれており、急速な対応が求められています。

新たな生分解性素材の開発



そんな中、日本のハイケム株式会社は、清華大学発のPHAメーカーであるPhaBuilder社、そして日興リカ株式会社との共同開発に向け、基本契約を締結しました。これにより、海洋生分解性樹脂PHAを活用した化粧品の代替素材が開発されることとなります。

PHA(ポリヒドロキシアルカン酸)は、微生物由来のバイオマスプラスチックで、最終的には水と二酸化炭素に分解される特性を持っています。淡水や土壌、さらには海洋でも高い生分解性を発揮するため、次世代の樹脂として期待されています。

パートナーシップの強み



この取り組みには、各社の特性を活かした役割分担があります。PhaBuilder社は、30年以上の歴史を持つ次世代工業化バイオテクノロジーのシステムを利用し、安価で多様なPHA製品を提供している中国最大のPHAメーカーです。同社は新たに年産1万トンのPHA製造プラントを運営し、さらなる生産能力の拡大を目指しています。

一方、日興リカは、独自の粉体加工技術により、従来の生分解性樹脂粉末と比較して、遥かに滑らかな感触と、優れた水やオイルへの分散性を持つ「RUSENT POWDER」を開発しています。この新素材は、幅広い化粧品用途で利用できる可能性があります。さらに、ハイケムは、2024年からPhaBuilderの日本市場での販売代理店契約を結び、グローバルな市場展開を進めています。

今後の展望



この提携により、2026年までに以下の取り組みを進め、化粧品分野のマイクロプラスチック問題への解決策を提供していきます。
  • - 日興リカの技術を用いたPHA製マイクロプラスチックビーズ代替製品の開発
  • - PhaBuilderの製造技術を活用した安定的な供給体制の確立
  • - ハイケムの市場開拓力によるPHA製品の化粧品用途への展開

これらの協力を通じて、持続可能な美容業界の発展に寄与するとともに、未来の環境保護および健全な生態系の維持に貢献していきます。_この革新的な取り組みが、化粧品業界における新たなスタンダードを生み出すことになれば、消費者と企業にとって、より良い未来を実現する鍵となるでしょう。_


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