食品ロス削減の新たな取り組み『かんしょくプロジェクト』
一般社団法人最愛の食卓が手掛ける『かんしょくプロジェクト』は、企業の社員食堂や飲食店から余った料理を再分配し、食を必要とする人々に届ける取り組みです。日本初のモデルとして、食品ロス削減の新たな流れをつくり出すことを目指しています。2025年6月には、環境省が実施する「令和7年度 食品の消費行動に伴う食品ロス削減対策導入モデル事業」に採択されるなど、その重要性が認識されてきました。
2024年以降の取り組みの拡大
2024年の10月から2025年12月までの期間、かんしょくプロジェクトでは約496kgの食品ロスを削減し、約1,984食分の温かい料理を提供しました。これは、実際に必要な人々に届く温かい食事がどれだけ貴重であるかを証明する数字です。提供される料理は、企業や社員食堂から寄付されたもので、食べられるのに捨てられる運命にあった食材が、地域の人々へとつながる重要な架け橋となっています。
企業のボランティア参加が拡大中
さらに、このプロジェクトに参加する企業ボランティアも増加しています。特に株式会社三井住友銀行は初の企業ボランティアとして活動を開始し、地域の課題解決に寄与するための具体的なアクションを起こしています。参加社員は、現場に出て、配膳やサービスを行いながら地域コミュニティの絆を育む役割を果たしています。社員間の交流も生まれ、単なる食支援を超えた人々のつながりが育まれています。
新たな活動拠点の設立
2025年にはさらに新たな拠点が設立され、多くの人々が温かい食事を受け取れる機会が広がります。例えば、第2拠点は難民支援を行うアクセプト・インターナショナルと連携し、地域の若年層に温かい食事を提供します。また、第3拠点では高齢者や単身世帯の交流を促進する場所として、コミュニティスペースを活用し、まさに食を通じた地域の絆づくりに寄与しています。
2025年11月からは、高校生を対象にした居場所支援事業が開始され、若者に安心して過ごせる環境を提供することにも取り組みます。このように、かんしょくプロジェクトは食品ロス削減だけでなく、地域社会全体の福祉向上に貢献し続けています。
持続可能な食の循環モデルに向けて
『かんしょくプロジェクト』は、調理済みの料理の再分配を通じて企業での日常的に発生する食品ロスを無駄にせず、地域の人々の食生活を支える社会的インフラの構築を目指しています。国内の相対的貧困層や孤食に直面する高齢者に温かい食事を届け、彼らが安心して過ごせる居場所づくりを行い、「もったいない」を「ごちそうさま」に変える尽力を続けています。
2025年以降、さらに多くのパートナー企業と手を組みながら、運送体制の改善やCO2削減への取り組みも進め、真に持続可能なモデルを目指します。このプロジェクトの展開は、地域社会において新たな希望とつながりを生む手助けとなるでしょう。これからも多くの人に愛され、成長する『かんしょくプロジェクト』の活動に注目していきたいと思います。