KDDIの稟議書システムをノーコードで再構築した革新の裏側
KDDI株式会社が、全社10,000名を超える規模の稟議書システムを大幅に刷新しました。その基盤となるのが、株式会社ドリーム・アーツが提供する業務デジタル化クラウド「SmartDB(R)」です。この新システムの導入により、KDDIは迅速で柔軟な意思決定プロセスを実現し、業務の効率化を図っています。以下では、その背景や導入の成果について深堀りします。
SmartDB(R)導入の背景
KDDIは「夢中に挑戦できる会社」を目指し、自社の業務デジタル化を進めています。2025年度には連結売上高5.9兆円を目指しており、中期経営戦略に基づく「サテライトグロース戦略」に則って、5G通信や生成AIの活用に取り組んでいます。これに伴い、コーポレート業務の増加に対応するため、コーポレートシェアード本部を新設し、社内の業務を集約・最適化しています。
これまで、経営判断に不可欠な稟議書のシステムは、従来のオンプレミス運用で多くの課題を抱えていました。特に、業務の複雑性やシステム間の連携の難しさ、データ活用の遅れなどが顕在化。そのため、SmartDB(R)の導入が決定され、まずは稟議書システムの再構築に着手しました。
稟議書システムの特長
今回のシステムは、特にノーコード開発が可能である点が評価されています。現場の担当者が自ら開発に携わることで、業務への柔軟な対応が実現。具体的には、以下のような機能が備わっています:
- - 承認フローの自動化:稟議種別に応じた承認ルートが自動設定され、迅速な意思決定をサポート。
- - データ活用の促進:関連するマスタ情報との連携ができ、構造化データを利用可能。
- - 課題解決に向けたAPI連携:他システムとのスムーズなデータ連携が可能で、業務の効率化を加速。
特に、ノーコードでの開発体制は業務の現場主導による改革を促進し、従来の硬直的な体制からの脱却を目指しています。これにより、経営判断に必要な情報もタイムリーに提供され、社内の透明性も向上しています。
KDDIとドリーム・アーツの協創
KDDIのコーポレートシェアード本部長、芝崎哲也氏は、稟議書システムが持つ重要性とその改善の必要性について強く言及しています。新システムの導入により、無駄なコストを抑えつつ、業務の効率化が図られたとのこと。また、高性能・高品質・低予算での実現は、ドリーム・アーツのサポートがあってこそだと述べています。
今後は契約管理や押印申請など、さらに業務範囲を広げることも計画されており、「デジタルの民主化」の理念のもと、現場が自らデジタルを活用する環境が整備されつつあります。
まとめ
KDDIの稟議書システムの刷新は、デジタル資源を最大限に活用し、業務の変革を実現する上で非常に大きなステップとなりました。今後もKDDIとドリーム・アーツの協力により、さらなる業務改善が期待されます。デジタル化の波が進む中、KDDIの取り組みは他の企業にとっても参考となるでしょう。これからの展開に注目です。