村上農園の豆苗が迎える30周年、家計を支える野菜の歴史と魅力

村上農園の豆苗が迎える30周年

株式会社村上農園が誕生させた発芽野菜「豆苗（とうみょう）」が、2025年12月で30周年を迎えます。この豆苗は、その栄養価の高さから「家計のお助け野菜」として多くの家庭に親しまれており、実は村上農園の危機を救ったという経緯も持っています。今回は豆苗の魅力やその普及の歴史について詳しくご紹介します。

豆苗の特長とは

豆苗は、若いえんどう豆の新芽であり、シャキシャキとした食感とほのかに香る豆の風味が特徴です。栄養面では、豆類と葉物野菜のいいとこ取りをした結果、タンパク質、ビタミンB群、β-カロテン、ビタミンCなど、バランスの良い栄養素が含まれています。また、年間を通じて安定した価格が確保されているため、家計の強い味方となっています。

再生栽培の楽しさ

調理後の使い方として、根を水に浸けることで再生栽培が可能です。この「リボベジ（リボーンベジタブル）」は、家庭でも簡単に楽しめる点が人気で、うまく育てば購入から二回の収穫が期待できます。調理も簡単で、火が通りやすい特性から、忙しい家庭でも気軽に使える野菜として重宝されています。これらの特徴により、食育にも最適な野菜とも評価されています。

危機を乗り越えた歴史

村上農園は1978年にかいわれ大根の生産をスタートし、早々に国内シェアのトップに立ちました。しかし、1996年に発生したO-157による食中毒事件で危機に瀕しました。この影響により、かいわれ大根の需要が著しく落ち込み、業績は急落しました。

しかし、その危機を乗り越えたのが1995年に発売された新商品「豆苗」です。当初は少量の生産から始まりましたが、会社存続のため、この豆苗を主力商品としてプッシュしました。全社員が一丸となっての試食販売や新たな調理法の提案が功を奏し、豆苗は瞬く間に人気商品へと成長しました。このように豆苗は、村上農園を救った“お助け野菜”の立役者なのです。

現在の展望

豆苗はその後も順調に売上を伸ばし続け、家庭の定番野菜として定着しました。特に新型コロナウイルスの影響により、家庭での再生栽培が注目され、豆苗は手軽に楽しめる野菜として人気をさらに高めました。安定した価格と栄養価の高さから、多くの消費者に愛されている豆苗は、現在も村上農園にとって欠かせない商品となっています。

新たな挑戦

そして30周年を迎えるにあたり、豆苗のブランドサイト「豆苗研究会」がリニューアルされました。このサイトでは、豆苗の栄養価やレシピ、再生栽培のコツなど様々な情報が提供されています。10月には新キャラクター「とうみょん」も登場し、豆苗の魅力をさらに多くの人々に伝える活動が始まりました。

このように、豆苗はただのお助け野菜ではなく、家計を支え、健康を考えた食品としての地位を確立してきました。今後も豆苗がどのように進化し続けていくのか、注目が集まります。