日本語が苦手でも就職できる！留学生支援の新たな潮流

近年、日本国内での外国人留学生の就職状況は変化を遂げています。名古屋工業大学は、特に理系の外国人留学生に向けた支援を積極的に行っており、彼らが日本での就業を果たすためのサポート体制を強化しています。今回、留学生の就職を支援する取り組みについて詳しくお伝えします。

留学生の受け入れと就職状況の現実

日本学生支援機構によると、2024年5月時点の外国人留学生数は33万6708人を記録しており、過去最高の数となっています。名古屋工業大学では、留学生の受け入れも推進しており、彼らの日本国内での就職をサポートするためにさまざまな施策が講じられています。調査によると、93.3%の学校が留学生の受け入れを行っている一方、日本で就職できた留学生が半数以下という現実も見えてきています。

課題の一つは日本語力

調査結果によれば、留学生の多くが「日本語での面接が不安だ」という悩みを抱えており、日本語力が企業の求める条件に満たない場合が多いことが浮き彫りになっています。67.9%の学校が「日本語レベルが企業要件に届かない」と感じており、就職活動における最大の壁となっています。

これに対し、名古屋工業大学では、日本語が得意でない留学生でも日本での就業を実現できるよう、様々なアプローチを採用しています。例えば、N4レベルの留学生がN1を求める企業から内定を得た事例も存在し、企業とのコミュニケーションのチャンスを増やすことが成長につながっているのです。

企業との連携を強化

名古屋工業大学では、留学生向けのキャリア支援講座を定期的に開催し、実際の就職活動を見据えたサポートを行っています。また、企業見学やインターンシップの機会を提供することで、留学生が日本の企業文化を理解しやすい環境を整えています。「AICHI VALUE」というプログラムでは、愛知県内の中小企業を対象にした就業体験プログラムを実施しており、留学生から高い評価を得ています。

就職支援の充実した内容

名古屋工業大学の就職・キャリア支援の取り組みは、以下のような内容から構成されています：
1. 日本語力向上支援：日本語の試験対策講座やビジネス日本語の教室を設け、留学生の言語スキルを伸ばします。
2. 就職活動の基礎知識講座：留学生に向けて、日本での就職活動に必要な知識を伝える講座を定期的に実施。
3. 企業との連携イベント：企業説明会や中小企業見学、インターンシップの機会を提供し、就職活動の実践をサポート。
4. 個別面談による相談窓口：留学生が直面する問題や不安について、専門の相談員が対応し、手厚いサポート体制を整えています。

求められる企業側の配慮

ただし、留学生の就職支援は大学だけの問題ではありません。企業側にも、留学生を受け入れるためのマインドシフトが求められます。日本語レベルの制限を見直し、留学生として一律の選考基準を設けない企業が増えることが重要です。SPIテストを重視するあまり、優れた人材を見逃してしまうリスクがあるため、企業は多様性を受け入れる姿勢が求められます。これにより、企業と留学生の双方にとって有益な出会いの場が生まれるのです。

未来の展望

外国人留学生の採用は、日本国内の人材不足問題を補うためにも非常に重要です。今後、企業が留学生を受け入れる体制を整え、言語や文化に対する理解を深めることで、外国人材が日本でより多く活躍する就業環境が形成されるでしょう。名古屋工業大学の取り組みは、その一助となることでしょう。

留学生を積極的に受け入れ、成長を支援する環境を整えていくことが、未来の日本を支える人材を育む鍵となるのです。