首都圏の賃貸物件市場分析
不動産業界のDX推進企業、株式会社いえらぶGROUPが実施した調査により、2025年1月時点の東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県における賃貸物件の市場動向が明らかになりました。今回はシングル、カップル、ファミリータイプの各賃貸物件に焦点を当ててその特徴を掘り下げていきます。
1. シングルタイプの物件は平成築が主流
首都圏の4県において、シングルタイプの賃貸物件は築16〜20年の平成築物件が最も多いことが確認されました。特に埼玉県と千葉県では、この割合が高くなる傾向にあります。しかし、千葉県においては、賃料が他の県と比較して依然として高い水準にないため、築年数が新しい物件の供給数は減少しているのが現状です。
このような動向は、賃貸市場の変化を示しています。安定した賃料の確保が難しい中で、築古物件の供給過多も問題となっています。平均賃料が昨年に比べて減少している点も注目です。
2. カップルタイプにおける昭和築物件の存在
カップルタイプの賃貸物件では、神奈川県における昭和築物件の割合が12.3%と最も高く、東京都は続いて11.7%という結果が出ました。昭和築物件は依然として神奈川県の賃貸市場で重要な役割を果たしており、特に大規模なファミリー向け物件においてもその傾向が見られます。
神奈川県は人口が多いものの、空き家の数も多いのが特徴です。総務省の調査によれば、神奈川県には約47万戸の空き家が存在するとのこと。これに伴い、市街地再開発が進められており、老朽化した建物の見直しや、都市機能の向上が期待されています。
3. ファミリータイプの割合は東京都がリード
ファミリータイプの物件では、東京都における新築物件の割合が24.8%を占め、特に増加傾向にあります。他の3県も同様に、新しい令和築物件の供給が増加しているものの、築2〜5年の物件は依然として減少している状況です。
これは、新型コロナウイルスの影響で建設現場が遅延したことも一因と考えられます。テレワークの普及により住まいに求めるニーズが変化している中、ファミリー層の需要が高まっていることから、賃料の上昇も顕著です。これらのトレンドは今後の賃貸市況にどのような影響を与えるのか、大きな注目を集めています。
まとめ
このように、首都圏の賃貸物件市場はシングル、カップル、ファミリーそれぞれで異なる動向が見られます。特に築年数や賃料の変化、新しい物件の供給が市場に与える影響は見逃せません。これらの情報は、今後の賃貸物件の選定や投資において有益な指標となることでしょう。
今後も、不動産市場の動向を注視し、私たちが快適に住むためのサポートをしていきたいと思います。