人気YouTubeチャンネル『ほんタメ』が贈る第9回文学賞
教育系YouTuberのヨビノリたくみさんと女優の齋藤明里さんがMCを務める、人気YouTubeチャンネル『ほんタメ』。このチャンネルは読者や本好きな視聴者のために、エンタメ情報を提供するバラエティ形式のプログラムです。登録者数は14.3万人にも上り、その人気の理由の一つが「ほんタメ文学賞」の存在です。
ほんタメ文学賞とは?
この文学賞は半期ごとに発表され、MCたちがそれぞれの部門からノミネートされた作品を選び、その大賞を生配信で発表するユニークなスタイルです。第9回の受賞作品が2025年上半期に対象となるこの賞は、9月6日に行われ、その模様が視聴者に届けられました。
大賞受賞作品『魔女の館の殺人』
見事、たくみ部門の大賞に選ばれたのは三日市零さんの『魔女の館の殺人』です。この作品は、謎解きとミステリーを融合させた新感覚の読者参加型のストーリーが魅力です。当日は著者の三日市零さんも番組に出演し、受賞の喜びや執筆の裏話を展開しました。
あらすじ
物語の中心は、理学部に通う大学二年生の進藤理人(りひと)と、彼のルームメイトで文系の柏木詩文(しぶん)。この二人は性格こそ正反対ですが、共通の趣味である「謎解き」に夢中です。ある日、彼らは山奥の洋館で開催される脱出ゲームに参加することになります。しかし、ゲームの最中に館内で焼死体が見つかります。緊迫感が漂う中、さらなる犠牲者が出てきます。逃げるための条件はただ一つ、九つの謎を解くこと。この脱出ゲームは単なるゲームではなく、命をかけたミステリーへと変貌を遂げるのです。
三日市零の作家活動
著者の三日市零さんは、『復讐は合法的に』という人気シリーズで注目を集めた若手作家ですが、実際には『魔女の館の殺人』が彼の初めての小説です。コロナ禍の影響でイベントが中止されたことから自宅で推理小説を読むことにハマり、自らの執筆にも挑戦した結果、驚くべきスピードで作品を書き上げました。すでに4万語のメモを作成し、のちに16万語の小説に仕上げたというエピソードは、多くの読者を魅了しています。
読者参加型の楽しさ
『魔女の館の殺人』では、いくつかの重要な謎解き問題が随所に配置されており、読者は主人公たちとともに脱出を目指す体験ができます。推理の過程を楽しみながら、いかにして次の展開へと進んでいくのかを考えるのも、この作品の大きな魅力の一つです。推理小説好きの方にも、脱出ゲームに挑むワクワク感を味わえるでしょう。
書誌情報
- - 書名:『魔女の館の殺人』
- - 著者:三日市零
- - 定価:880円(税込)
- - 発売日:2025年5月15日
- - 発行会社:株式会社ハーパーコリンズ・ジャパン
- - 判型:文庫判
- - ページ数:400
- - ISBN:978-4-596-96275-1
『魔女の館の殺人』は、ミステリーと謎解きが合わさった新しい読書体験を提供してくれる一冊です。興味がある方はぜひ手に取ってみてください。