東京都の新しい下水処理技術「AGSORⓇ」
東京都江東区に本社を構えるオルガノ株式会社が開発した、好気グラニュールを使用した連続式下水処理システム「AGSORⓇ」が、東京都下水道局により実用化技術として認定されました。この画期的なシステムは、下水処理の新たな可能性を提示しており、持続可能な都市環境づくりに貢献することが期待されています。
下水処理における課題とは?
近年、下水処理は地球環境問題に直面しています。従来の活性汚泥法は多くの都市で用いられていますが、処理水質の不安定さや大きな設置面積が問題視されています。これらの課題を解決するために、東京都とオルガノは協力して新しいシステムの開発に取り組み、グラニュールを用いた方法に着目しました。
好気グラニュールの特長
「好気グラニュール」とは、微生物が高密度で自己造粒を行うことで形成される粒状汚泥です。この粒子は200μm以上の大きさを持ち、沈降速度が速く固液分離性が優れているため、処理水質の改善が期待できます。これにより、よりコンパクトな施設設計が可能となります。
東京都との共同研究の成果
2020年から東京都江東区の砂町水再生センターで、グラニュール汚泥を用いた実証試験が行われました。4年以上の継続運転の結果、以下の成果が確認されました。
1. 従来の手法に比べて1.5倍以上の処理水量を確保しながら、処理水質は同等であること。
2. グラニュールシステムの電力量消費が、従来法と同等以下であること。
3. 窒素処理において高度処理並の水質を安定的に実現できていること。
これらの成果を受け、2026年には東京都から正式に実用化技術として認定される運びとなりました。
AGSORⓇの導入によるメリット
「AGSORⓇ」を導入することで、大きな利点がもたらされます。流入下水の一部を分岐して好気グラニュールを形成し、継続的に供給するシステムは、従来法の1.5~2倍の処理速度を誇ります。また、窒素やリンの処理水質も向上し、最終沈殿池での固液分離も安定化します。
さらに、生物反応槽や最終沈殿池のサイズを大幅に削減できるため、施設更新時のコスト削減や維持管理費用の低減も期待できます。これにより、より効率的で環境負荷の少ない下水処理の実現が目指されています。
未来への期待
オルガノの「AGSORⓇ」は、技術的な進歩のみならず、持続可能な社会を目指す上でも重要な役割を果たすことが期待されています。水資源を適切に管理し、未来の世代に綺麗な環境を引き継ぐために、今後もこの技術の発展に注目が集まります。
それでは、持続可能な下水処理の未来へと一歩踏み出した「AGSORⓇ」の動向を、引き続き見守りましょう。