スペースシードホールディングスがUrth社に出資し、未来の宇宙事業を加速
スペースシードホールディングス株式会社が、メタバース空間「metatell」を展開する株式会社Urthへの出資を発表しました。この出資は、ウルト社が実施したシードラウンドの第二次締切の際に、第三者割当増資を通じて行われました。今回、Urthは株式会社コロプラネクストや合同会社NYKYなどからの融資を含む総額3,100万円の資金調達に成功し、累計調達額は約1億600万円に達しました。
建築士とメタバースの融合
スペースシードホールディングスは2024年より、月面での酒蔵を構想した「月面酒蔵メタバースプロジェクト」に着手します。同プロジェクトでは、Urthとの協力により、現実の建築士による空間設計のノウハウを活かし、誰でもアクセス可能なブラウザベースの3D空間構築技術を駆使します。この取り組みは「人類の生存圏を宇宙にまで広げる」というビジョンとの親和性が高く、今後の中長期的な協力を促進することでしょう。
Urthは、企業や自治体向けにカスタマイズしたデジタル空間の提供を手がけており、スペースシードホールディングスが目指す“再生循環型の宇宙生活環境モデル”に基づくオンライン空間の構築に向けた共同作業を進めます。このような取り組みにより、地球外での生活や文化形成の先駆けとなるプロトタイプを共に創造します。
月面酒蔵プロジェクトの実態
「月面酒蔵 - Lunar Brewery -」は、2040年の月面に実現予定の未来の酒蔵を、現代のメタバース空間に再現するプロジェクトです。この仮想酒蔵では、世界中の人々が集まり、互いに価値を共有・交換できる場を提供することが目的とされています。この月面酒蔵は、新潟県津南町の実在する津南醸造をモデルに、Urthが展開するメタバース構築サービス「metatell」を活用して構築されます。
プロジェクト内では、月面建築に関する可能性や微生物を用いた生産活動など、先進的なテーマについての体験が提供されます。また、将来的にはこの「月面酒蔵」を舞台とした国際カンファレンスやシンポジウムの開催も計画されています。
Urthのサービス「metatell」について
「metatell」は建築デザイナーが設計する高品質な3D空間を、どのデバイスからも利便性高く体験できるメタバースプラットフォームです。プラットフォームには自由なカスタマイズが可能で、利用状況の詳細な分析も行えます。これにより、運営や発展において重要な役割を果たすことが可能です。
詳細については、
Urthの公式サイトで確認できます。
会社のビジョンと今後の展望
Urthの代表取締役、田中大貴氏は、スペースシードホールディングスからの出資に感謝し、宇宙で活動する人々と企業に向けた空間表現の力を届けていく考えを示しました。この協働によって、人類の未来に向けた建築士の持つ創造力および技術が社会の課題解決に寄与する姿勢を強調しました。
一方スペースシードホールディングスの鈴木健吾代表取締役は、Urthの技術力とビジョンに大きな期待を寄せ、宇宙と建築の融合による新たな価値創造への期待を述べました。これからの展開が楽しみです。
スペースシードホールディングスは、宇宙系のディープテックベンチャービルダーとして、「SFをノンフィクションにする」というミッションの下、社会課題解決につながるプロジェクトに積極的に取り組んでいます。2040年までに、宇宙空間での居住に必要な技術を整えることを目指し、様々なステークホルダーと連携しながら事業展開を進めています。