東京ベル製作所とサンユー技研工業のM&Aで町工場の新たな道を開く

東京ベル製作所とサンユー技研工業のM&A

東京都荒川区に本社を置く自転車ベル製造の老舗、株式会社東京ベル製作所が、三重県津市に本社を構えるサンユー技研工業株式会社とのM&Aを実現しました。この動きは、町工場の未来を切り開く重要な一歩となることでしょう。
広がる事業展開と技術の進化により、両社は相互に成長を促進することが期待されています。

M&Aの背景と経緯

1949年創業の東京ベル製作所は、自転車用のベルだけでなく、最近では熊避けベルや風鈴、さらにはコーヒーフィルターといった多様な金属製品の製造を手掛けています。特に、近年は後継者不在の問題に直面していたことから、事業の行く先に不安を感じるようになっていました。現社長の市村氏は、2000年代に入ってからこの問題を解決する手段としてM&Aを考えるようになり、当初は否定的な意見も持っていましたが、M&Aキャピタルパートナーズのアドバイザー、宮下氏の助言を受けて前向きに検討を進めました。

その結果、サンユー技研工業との出会いが実を結びました。同社は、金型設計・製作において75年以上の経験を持ち、最新の機械を導入し充実した福利厚生を提供しています。これにより、両社は互いの強みを活かすことで新たなビジネスチャンスを模索する姿勢が見えるようになりました。

M&Aがもたらす未来

東京ベル製作所は、M&Aを通じて自社の製品群の幅を広げることが目指されています。特に、サンユー技研工業が持つ先進的な経営手法や技術力が合わさることで、双方の顧客基盤や市場へのアプローチが深化することが予想されます。

例えば、東京ベル製作所の専門的な金属加工技術とサンユー技研工業の金型製作技術を融合させることで、今後ますます多様化する顧客のニーズに対して、より迅速で効率的な対応が可能になるでしょう。

担当アドバイザーの視点

このM&Aを仲介したM&Aキャピタルパートナーズ株式会社のアドバイザー、宮下氏は、数々の成功事例を持つベテランです。早稲田大学卒業後、金融業界でキャリアを積んできた彼は、特に中小企業の事業承継を支援することに力を入れています。
「孤独な経営者の希望になるよう、全力でサポートします」と宮下氏は語ります。彼の信念は、多くの中堅企業が新たな未来を見出す手助けをすることです。