多摩トキワソウ団地のサービス終了と新たな拠点へ
特定非営利活動法人LEGIKAが運営する「多摩トキワソウ団地」が、2025年11月30日をもってそのサービスを終了すると発表しました。マンガ家育成のためのシェアハウスとして、2021年にオープンしたこの施設は、これまでに多くのプロ作家を育ててきました。特に、2023年度にはほぼ全室が埋まり、入居希望者の待機時間が1年以上という高人気を誇ったことからも、その評価の高さが伺えます。
多摩トキワソウ団地の魅力
多摩トキワソウ団地は、全53室を有するシェアハウスであり、多くのマンガ家にとっての創作活動の聖地とも言えます。共に暮らし、共に競い合う環境が成長を促し、実際に居住者の約30%がプロデビューを果たすという驚異的な結果を出しています。また、生活空間としての充実した環境も評価されてきました。しかし、利用建物の契約満了と貸主の意向により、やむを得ずサービスの終了を決定しました。
新たな拠点「上池台トキワソウルーム」へ
多摩トキワソウ団地の運営終了後は、東京都大田区にある「上池台トキワソウルーム」へと拠点を移します。この新拠点はより広い共用スペースを持ち、今まで以上に実践的な創作活動や交流を深めることが期待されています。上池台トキワソウルームは全55室で、アトリエプラン付きの居室も含まれており、多様なニーズに応えることが可能です。
港区のマンガ家育成の一環
国の「クールジャパン戦略」にも関連し、コンテンツ産業のための人材育成が今後の重要課題とされています。LEGIKAは経済的な意義を考慮し、関係者との調整を重ねてきましたが、どうしても新たな環境での運営を選ぶこととなりました。この移行により、マンガ制作の現場がさらに充実すると考えられています。
日野トキワソウスタジオの今後の展開
多摩トキワソウ団地の運営が終了するものの、西東京の魅力を活用した「日野トキワソウスタジオ」というワンルーム型提携ハウスのサービスも継続します。こちらは現役のマンガ家を対象とした住居提供を行い、引き続き多摩地域のマンガ文化を支えます。
これまでの功績と今後の展望
「多摩トキワソウ団地」は、712人以上の参加者を迎え、585件以上のメディア掲載実績や183件のマンガ賞受賞実績を誇る等、長年にわたり多くの才能を発掘してきました。今後も、上池台トキワソウルームが新たな才能の発表の場となることでしょう。
このように、新たなスタートが切られる中で、今後のマンガ界を担うクリエイターたちにとっての希望の場として、次世代のマンガ家たちの活躍が期待されます。多摩トキワソウ団地をご利用いただいた皆様に心から感謝申し上げます。