株式会社森未来は、東京都港区に本社を置き、森林課題の解決に挑む企業です。彼らの主要ミッションは「Sustainable Forest(持続可能な森林)」であり、これを実現するために新たな資金調達を行ったというニュースが飛び込んできました。今回、シリーズAラウンドとして、第三者割当増資を通じて総額2.6億円を調達しました。
この資金調達は既存の投資家に加えて、新たにJPインベストメント、アグリビジネス投資育成、SMBCベンチャーキャピタルなど、社会的課題への意識が高い国内の投資家が株主に名を連ねることとなりました。ここでの期待は、「Sustainable Forest」とそのさらなる普及を実現するという点です。
森未来の代表取締役、浅野純平氏は、63年以上前に制定された林業基本法に言及し、持続可能な林業の実現がいかに長い時間を要するかを語ります。半世紀以上経っても、林業の持続可能性は達成されていないという現実は、より多くの人々がこの問題に関心を示すことが必要であることを示唆しています。
前回のプレシリーズAラウンドでは、木材のBtoBプラットフォームである「eTREE」が立ち上げられました。それから現在に至るまで、eTREEは木材に関するお問い合わせを包括的にサポートするデータベース&ポータルサイトへと成長しています。
今回の資金調達によって、このプラットフォームの機能は一層強化され、最終的には「All Wood Platform」の実現へとつなげることが期待されています。
しかし、持続可能な森林社会への道のりは簡単ではなく、淵源となる森林問題はなおも厳しい現実を抱えています。浅野氏は、長期的にこの課題に正面から向き合い、10年、20年、さらには50年かけても解決に向けて進む覚悟を示しました。
また、資金調達に際して心強い新たな株主として迎えた3社は「Sustainable Forest」に対する真剣な思いを共有し、その期待を寄せていると強調しています。既存の株主とも積極的に連携し、さらなる事業の進展を図る意向も示されています。
資金調達の背景には、強い社会課題への関心が根底にあり、特に日本の国産材流通の現状については危機感が募るばかりです。速水林業の代表は、国内の森林が伐採後に放置される割合が高いことを懸念し、木材流通の改革が急務であると訴えています。また、CLTを利用したプロジェクトでも協力関係を築いているサイプレス・スナダヤの砂田氏は、非住宅建築での木材利用を促進し、持続可能な森林経営への寄与を願っています。
資金調達を記念するイベントも企画されており、林業スタートアップの成功事例などを通じて、さらなる企業間の連携やアイデアの交流が期待されています。このイベントは、参加者にオフレコで実情を語る絶好の機会となり、スタートアップや地域活性化に興味を持つ方々にとっての重要な場となるでしょう。
株式会社森未来は、「Sustainable Forest」をミッションに掲げ、森林課題に取り組む仲間を広く募っています。この大義に共感する方には一緒に活動を手伝い、次なる森林社会を築く仲間としての参加を期待しています。今後も他の企業や投資家との連携を強めながら、持続可能な未来を目指して邁進する姿勢を保ち続けてまいります。