保育現場を支援する新たな試み
東京都にある株式会社ベネッセスタイルケアグループと株式会社コドモンが、2025年2月から共同で始まる「こどもストーリー(商標・特許出願中)プロジェクト」を発表しました。このプロジェクトは、保育現場で子どもたちの日常や成長を記録するためのAI機能を開発し、保育者の業務負荷を軽減することを目的としています。
保育現場の課題とは
近年、保育現場では子どもの成長を記録するための作業に時間が取られがちで、多忙な保育者にとっては大きな負担となっていました。例えば、児童票や年次要録の作成には、過去の記録を再分析・再構成する必要があり、児童一人当たりに1時間以上かかることもあります。この手間は保育者にとっての障壁となり、「現場での子どもたちとの時間が減るのではないか」という懸念がつきまといます。
新たに始まる「こどもストーリー」機能
このプロジェクトでは、AIが「保育ドキュメンテーション」に蓄積された情報を解析し、児童票や要録作成を支援する機能が開発されます。その結果、保育者は記録の確認や編集に集中でき、子どもの成長や個性を一層深く理解し、より質の高い保育を行うことが可能になるでしょう。
特に、このAI機能は純粋な業務の自動化を目指しているのではなく、保育の質を向上させるための活用を重視しています。これにより、保育者は資料作成の時間を減らし、一人ひとりの子どもに対する理解が深まることで、より充実した成長の支援が行えるようになります。
プロジェクトの参加施設募集
今回の「こどもストーリー」プロジェクトに参画する法人や保育施設を募集しています。参加した施設には新機能のおためし版の先行申込、進捗状況の共有、サービス導入に関するヒアリングなど、さまざまな特典が用意されています。興味を持つ施設の方々は、ぜひプロジェクトエントリーフォームからお申し込みいただき、保育業務の進化に貢献していただきたいと思います。
監修者からのコメント
保育を日々行う大豆生田啓友教授(玉川大学)の言葉を借りると、「保育は子どもといかに向き合うかが重要」です。先生たちは日常的に子どもたちの現在の状況を把握するだけでなく、その背景を織り交ぜながら、より深い理解につなげることが求められます。「こどもストーリー」は、そのような子ども一人ひとりの変化を追跡し、新たな出発点を示してくれるものです。
実際の取り組みからの反響
すでに「こどもストーリー」を体験した平塚保育園の保育士からは、業務の軽減が期待できるとの声も寄せられています。「記録作業の軽減が保育士の学びにつながり、それが子どもたちとの関係をより良くする」といった前向きな意見が聞かれます。
これらの取り組みにより、保育の質向上と業務の効率化が両立され、新しい時代の保育が期待されています。「こどもストーリー」が提供するAI機能の導入と活用は、保育者と子どもたちにとってより豊かな未来をサポートする一助となるでしょう。