2024年の余暇市場の変遷と今後の展望
2024年の余暇関連市場が75兆2,030億円に達し、コロナ前の水準を上回る結果となりました。この発表は、公益財団法人日本生産性本部が発行する「レジャー白書2025」に基づいています。この白書は、日本における余暇の実態を時系列に分析し続けており、今回で通算49号目になります。
国内旅行が3年連続の首位
2024年の余暇活動に関するデータによると、国内観光旅行は4,680万人の参加者を記録し、3年連続で首位を維持しています。具体的には、避暑、避寒、温泉など多様な旅行形態が人気を集めていると言われています。興味深いことに、動画鑑賞も参加者数が増加し、2位に上昇しました。しかし、全体的に見ると、外食や読書などの上位種目においても参加人口の減少が見られました。
平均参加種目数の減少
参加者の一人当たりの平均参加種目数は微減し、10.2種目となりました。特に、男女の比較では、女性の方が減少幅が大きかったことが指摘されています。余暇を重視する意識は依然として高く、回答者のうち3分の2以上が余暇を優先しているとの結果も出ています。
市場の動向と注目すべき産業
2024年の余暇市場は,前年比で5.6%の増加を見せ、2019年比でも104.0%に達しました。この市場の成長は、観光・行楽部門が前年比9.9%増加したことが大きな要因です。具体的には、ホテル、遊園地、旅行業、国内航空などが好調に推移し、海外旅行も徐々に回復していることが伺えます。
他の部門についても、以下のような動きが見られます。
- - スポーツ部門は前年比1.6%増。フィットネスクラブやスポーツ観戦の人気が続いており、各種目の施設やスクールも堅調です。
- - 趣味・創作部門は3.8%の増加が見られ、音楽や演劇、カメラに対する関心が高まっています。ただし、動画配信や電子出版は伸び悩んでいます。
- - 娯楽部門では5.3%増、特にパチンコ・パチスロの成長が目立ちます。外食も大きく伸びました。
このように、様々な余暇産業が回復・成長を見せる一方で、参加人口の減少干渉各ジャンルに影響を与える可能性があるため、今後の動向に注目が必要です。
今後の展望
「レジャー白書2025」は、今後の余暇活動の進展や新たなトレンドを示す重要な資料となるでしょう。コロナ前を上回る市場規模の実現は嬉しいニュースですが、参加人口の動向には冷静な目配りが必要です。特に、どのようにして人々が再び多様な余暇活動に足を運ぶかが、今後の鍵となるでしょう。観光や娯楽の新しい形態が求められている今、地域性や個々のニーズに応じた休暇の過ごし方にも多くの可能性が広がっています。業界関係者や消費者の皆さんが、今後の余暇市場の変化にどう対応していくか注目です。