ランサムウェア防止の鍵は認識ギャップを埋めることにあり
最近、ランサムウェア攻撃が増えており、多くの企業や個人がその脅威にさらされています。株式会社オーケーウェブが実施した調査によると、企業の被害実態と一般ユーザーの防衛意識の間には大きなギャップが存在することがわかりました。その背景や防御策について探ってみましょう。
1. 調査の背景
オーケーウェブは、深刻化するランサムウェアの脅威に対し、全国のインターネット利用者500名を対象に調査を実施しました。調査結果は、企業が直面しているセキュリティリスクと、一般ユーザーの間に存在する認識の違いを明らかにしました。
2. ランサムウェアの侵入経路
調査の結果、企業に対する主なランサムウェアの侵入経路は、VPNの脆弱性(約45%)とリモートデスクトップ(RDP)を通じた攻撃(約30%)が大半を占めていることがわかりました。これに対し、一般ユーザーは「メール」を最も危険視しており、VPNやRDPに関してはほとんど認識されていないという結果が出ました。
3. 認知度のギャップ
調査によると、「ランサムウェア」というワード自体は約80%の一般ユーザーが知っていたものの、実際の仕組みを理解しているのはわずか2割でした。また、約80%の人々がセキュリティに不安を抱きながらも、定期的なバックアップを行っている人は約30%しかいませんでした。これは、基本的な防御策が講じられていない危険な状況です。
4. 企業が注目すべき侵入経路
企業の際最も警戒すべき侵入経路は、外部公開機器の脆弱性です。テレワークの普及に伴い、攻撃者はVPNやRDPなどを狙い、これらの脆弱性を悪用するケースが増えています。このため、従業員や経営者は、そうしたリスクを理解し、必要な対策を講じることが求められます。
5. 具体的な対策
提案したい防御策には、以下の4つの防衛ラインがあります。
1.
入口対策: VPNやRDPのセキュリティアップデートを常に行い、不要なポートは閉鎖する。多要素認証(MFA)の導入も有効です。
2.
端末対策: 信頼性のあるセキュリティソフトを導入し、OSやソフトのアップデートを徹底しましょう。これにより、未知の脅威にも対応できます。
3.
人的対策: 従業員に対するセキュリティ教育を強化し、不審なメールに対する警戒心を持たせる訓練を定期的に行うことが重要です。
4.
復旧対策: 定期的なバックアップを行い、万が一の事態に備えることで、被害を最小限に抑えることができます。
6. 結論
今回の調査を通じて、ランサムウェア攻撃に対する認識のズレが浮き彫りになりました。企業は、システムの脆弱性に注意を払い、一般ユーザーは自身のセキュリティ対策を見直すことが求められています。今後もオーケーウェブは、セキュリティ対策に関する情報提供を続け、より安全なインターネット環境の実現に努めていきます。