丸の内初の江戸のみどり登録緑地
東京都は生物多様性の保全を目的に、江戸のみどり登録緑地制度を設けています。最近、丸の内に位置する「鉄鋼ビルディング」がこの制度に基づく「優良緑地」として認定されました。これは東京・丸の内初の快挙であり、その意義は非常に大きいと言えます。
鉄鋼ビルディングの取り組み
鉄鋼ビルディングは、2015年に竣工して以来、自然環境への配慮を第一に考え、本社がある東京・丸の内の土地に根ざした植生を積極的に取り入れた緑化事業に力を入れています。このプロジェクトの一環として、皇居の植生や国立科学博物館付属自然教育園の武蔵野の植生に着目し、それに基づいて緑地の整備を進めてきました。
約1,000㎡の緑地
鉄鋼ビルディングは、ビル西側の散策路や、東京駅近くの広場など、さまざまなエリアに約1,000㎡の緑地を創出しました。特に西側散策路の緑地帯は170mにわたり、さまざまな植栽で構成されています。常緑高木としてスダジイやシラカシが並ぶ中、落葉小高木や低木などもあり、訪れる人々が自然を身近に感じられる環境が整えられています。
生態系への配慮
さらに、ビル内では、訪れた人がくつろげるベンチや生き物の隠れ家となるエコスタックや巣箱を設置し、ただのビルではなく、自然との共生を目指しています。生物多様性が重視され、生き物たちの住処が確保されることで、都市の中においても自然の大切さや美しさを体験できる場所となっています。
在来種を大切に
鉄鋼ビルディングの緑地では、在来種を多く植栽することに力を入れています。高木の59%が在来種であり、さまざまな樹種が使われています。具体的には、シラカシ、スダジイ、タブノキ、エゴノキなどが見られ、訪れるたびに違った景色を楽しめます。
これからの取り組み
今後、鉄鋼ビルディングはさらに多様な緑化プロジェクトを進め、周囲の環境や生態系への貢献を目指していく予定です。同時に、訪れる人々に自然の大切さを伝え、環境保護の意識を高めていくことが期待されます。
東京・丸の内という都会の中心において、自然と共生する取り組みが評価されたこの瞬間が、さらなる緑化活動への興味を呼び起こし、多くの人々に影響を与えることを願っています。都市の中でも、自然が息づく空間を楽しむことができる、そんな未来に期待が高まります。