住友林業株式会社が、2023年11月に国産材由来のバイオエタノールを製造・販売する森空プロジェクトへ参画することを発表しました。このプロジェクトは、国産の木材を利用した持続可能なバイオエネルギーの普及を促進するための取り組みで、基本合意書が締結されました。
森空プロジェクトとは?
森空プロジェクトは、日本製紙、住友商事、そしてGreen Earth Instituteの三社が共同で立ち上げたプロジェクトです。スローガンは「森のチカラを空飛ぶチカラに」で、2025年3月には日本航空とエアバスも参画し、持続可能な航空燃料(SAF)のための原料としてバイオエタノールの生産を強化していきます。
住友林業はこのプロジェクトに新たに加わることで、国産材を原料とするバイオエタノールの安定供給を目指すとともに、温室効果ガスの排出量を減少させることが狙いです。国産材の使用により調達と輸送の過程での環境負荷軽減に寄与し、木材のカスケード利用を推進します。
持続可能な未来を見据えた取り組み
また、このプロジェクトでは国産材のCORSIA認証取得を目指しており、住友林業は原料供給の部分からこの取り組みをサポートします。CORSIAは国際航空業界における温室効果ガス排出削減のための枠組みであり、これに適合した原料が求められます。住友林業はバイオリファイナリー事業の推進にも力を入れており、木質バイオマスを原材料としたバイオケミカル製品の研究開発を行っています。
住友林業のビジョン
住友林業は木に関連する多彩な事業を展開しており、建材の製造から住宅の建設、森林の管理まで、幅広く活動をしています。特に、バイオリファイナリー技術の開発や新事業の創出に向けた取り組みが進行中です。2023年11月には、GEIとの業務資本提携契約も締結し、バイオリファイナリー技術を用いた持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。
このように、住友林業と森空バイオリファイナリー合同会社は国産材を活用した持続可能なエネルギーの生産と資源の循環を進めることに合意し、持続可能な脱炭素社会の実現に向けて共に歩むこととなりました。
結論
住友林業の参画によって、森空プロジェクトはさらに一歩前進し、国産材由来のバイオエタノールの普及を広げるとともに、地域の活性化や持続可能な未来に向けた貢献を強化していくでしょう。新たな木材の活用方法の創出やエネルギーの持続可能性に向けた進展が期待されます。