環境重視の新梱包箱が誕生
2023年、サクラパックス株式会社とNSK富山株式会社が共同で開発した新しい梱包箱が注目を集めています。この梱包箱は、環境への配慮を前面に打ち出した設計で、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとされています。
新梱包箱の特長とは?
新たに開発されたこの梱包箱は、リサイクル可能な強化段ボールを側面に採用しており、従来の木箱に比べて大幅に軽量化されています。この設計により、開梱や解体が格段に容易になるだけでなく、廃棄物の削減やCO2の排出量も46%削減されるという成果が期待されています。
具体的には、この梱包箱はサイズ730mm×730mm×778mmで、上部は合板製で4.8kg、側部が強化段ボールで4.1kg、下部が合板の10.7kgという構成です。これにより、全体重量は従来の木箱に比べて42%も軽量化されています。
開発の背景と目的
このプロジェクトは、NSKグループが掲げる持続可能な社会の実現というビジョンに基づいています。顧客からは、木箱の解体が手間であるとの声が寄せられたことから、NSK富山はサクラパックス社との提携を進めることになりました。共同での検証を行った結果、側面に強化段ボールを使用することで、強度に問題がないことを確認しました。
さらに、開梱時の取り扱いやすさにも配慮し、同側面は底板から簡単に分離できる設計となっています。これにより、重量物である大形軸受の輸送時でも、安全かつ効率的に扱えます。
今後の展開
この新梱包箱は、NSK富山の主力製品である大形軸受の梱包に順次利用されていく予定で、他のNSK工場への展開も視野に入れています。環境に配慮した梱包の提供は、持続可能な社会への重要な貢献であり、産業界での動きも注目です。
会社紹介
サクラパックス株式会社は1947年に設立され、富山県に本社を置く段ボール製品の総合メーカーです。高いシェアを持つ北陸地域で独自の技術を生かし、様々な包装資材を提供しています。一貫した製造体制で、品質の高い製品を通じて地域貢献と環境対策にも取り組んでいます。
一方、NSK富山株式会社は1966年設立で、日本のものづくりを支えるという使命のもと、精密機械部品の製造を行っています。NSKグループとして、持続可能なビジネスモデルの確立に向けた取り組みも進めています。
この新しい梱包箱の導入は、持続可能性の観点からも大きな前進であり、これからの業界のスタンダードとなることが期待されています。