日立とサイバートラストの新たな一手
日立製作所とサイバートラストが連携し、金融機関向けに新しい本人確認サービスを開始しました。このサービスは、日立の「eKYC支援サービス」を基盤にしており、ICチップを活用した本人確認が可能になります。このたびの導入により、本人確認の手順が大幅に改善され、より安心かつ安全な取引が実現します。
簡単・便利な本人確認
このサービスは主にiPadを使用して行います。具体的には、iPadに接続するBluetooth対応の外付けカードリーダーで本人確認書類のICチップを読み取ります。このICチップ情報によって、書類の真正性を確認し、偽造やなりすましのリスクを大きく軽減します。今までは、カメラ機能を使った確認が一般的でしたが、ICチップを読み込むことで、より安全な確認が行えるようになります。
特に、三菱UFJ銀行ではこのサービスが正式に導入され、同日から店舗で運用が始まります。これにより、オンラインではもちろん、店舗でも非対面での本人確認が可能となります。これは、利用者にとっても大きな利点であり、窓口での待ち時間を減少させることが期待されています。
eKYCの背景
最近、金融業界ではeKYC(electronic Know Your Customer)が注目されています。これは、非対面で行う本人確認手法の一つで、特にコロナ禍以降、その重要性が増しています。これに伴い、本人確認方法の法改正も進められています。2027年4月以降は、ICチップを読み取る確認方式が義務づけられるため、これは非常に重要な動きとなります。
日立は、サイバートラストとの協業を基に、このサービスを開発しました。すでにスマートフォン向けにはICチップの確認機能を提供していますが、今回の展開によりiPadでも同様の機能が実現しました。これまでのシステムに新たな可能性が加わり、金融機関の業務運営における画期的な進化を促します。
未来の展望
日立では、今後さらにサイバートラストとの連携を強化し、このサービスを金融機関をはじめとするさまざまな事業者に広める予定です。これにより、事業者側の業務効率化や、利用者の利便性向上を図ることができ、安心かつ安全な金融取引の実現に寄与します。また、今後はiPad以外のタブレット端末にも対応範囲を広げ、金融機関の非対面取引の拡大に貢献することを目指しています。
これらの取り組みを通じて、日立は通信の安全性をさらに高め、社会における信頼を築くことを目指しています。これからの金融業界において、安全で便利な取引がどのように進化していくのか、注目が集まります。日立の「eKYC支援サービス」はその一助となることでしょう。