ゼスプリ社の有機キウイに迫る「公開確認会」の意義と展望
2025年3月、ニュージーランドのゼスプリ社を訪問したのは、パルシステム生活協同組合連合会の役職員と利用者たちです。この訪問の目的は、有機農法の実現に向けたさまざまな栽培の工夫を直接確認する「公開確認会」を開催することでした。パルシステムは、ゼスプリ社と20年以上の長い関係を築いており、今回の確認会は初めての試みとなります。
公開確認会の経緯と目的
訪問した一行は、東京や神奈川、千葉、埼玉の利用者で構成されており、パルシステムが長年にわたり築いてきた産直提携の一環として、現地での安全性や持続可能性を追求する栽培や品質管理の仕組みを見届けました。ゼスプリ社との取引は2005年から始まり、2012年に正式な産直提携を結んで以来、双方の理念が合致する点において、お互いの信頼関係を深めてきました。
ゼスプリ社では、有機フルーツ栽培の実践として、土壌管理や生態系の力を生かした栽培方法が採用されています。一行は農場を視察し、これらの具体的な取り組みを確認しました。また、生産者が自ら設立したゼスプリ社の理念や環境目標をプレゼンテーション形式で紹介し、その後には農園やパッキング施設の見学が行われました。
利用者の監査と視察結果
この公開確認会では、参加者が事前に受けた品質管理に関する講習をもとに監査を実施しました。監査項目は次の通りです:
1. 理念と事業内容
2. 産地の組織実態や管理運営・意思決定
3. 産地の栽培基準
4. 栽培の実践
5. 表示・出荷・労働安全面
6. その他持続可能性の追求、その手段など
これにより、参加者はゼスプリ社が取り組む安全で持続可能な生産に対する理解を深めることができました。専務理事の渋澤氏は「産直提携は、相互理解と信頼に基づいたパートナーシップである」と述べ、今後の持続可能な農業の発展に期待を寄せました。
消費者との相互理解の深化
公開確認会では、ゼスプリ社の生産者、特に有機キウイ担当のトレーシーアームストロングさんからのコメントも印象的です。「私たちが提供する有機キウイは、ニュージーランドの独特な火山灰土壌が育てたもので、消費者と生産者間の相互尊重が大切です」との言葉は、双方の関係の重要性を強調しています。
日本におけるニュージーランド産キウイの有機栽培のシェアは2022年度で約5%程度とされています。その中で、パルシステムの役割が重要なことが再認識されました。
今後の展望
パルシステムは2025年の国際協同組合年を迎えるにあたり、生産者と消費者の協同をさらに進め、有機キウイの供給のさらなる拡大を目指しています。これにより持続可能な生産と消費の実現を図っていく所存です。
最後に、ゼスプリ社との関係が今後も発展し、双方がさらに良い形で相互理解を深められることを願っています。
詳細については、
パルシステム公式サイトをご覧ください。