鉄道安全を進化
2025-07-10 14:38:24

QuantumCoreと積水化学が鉄道安全を次世代へ進化させる実験開始

QuantumCoreと積水化学が進める次世代鉄道安全監視システム



東京都品川区に本社を置く株式会社QuantumCoreは、鉄道の安全性を大幅に向上させるための重要なプロジェクトに着手しました。このプロジェクトは、積水化学工業株式会社との協力のもと、東京都が推進する「東京都グローバルイノベーションに挑戦するクラスター創成事業(TIB CATAPULT)」プログラムに選定されたもので、エッジAI技術と光ファイバーセンシングを駆使した鉄道監視システムの実現を目指しています。

プロジェクトの概要


本プロジェクトのテーマは「全線連続監視による鉄道の安全性向上」です。これまで個別のセンサーで監視していた鉄道の安全管理を、光ファイバーケーブルを利用した連続的な監視技術に進化させることが目的です。この光ファイバーは、振動を感知するセンサーとして機能し、安全管理が可能になります。

プロジェクトでは、光ファイバーケーブルによる時系列データ解析プラットフォーム「Qore」を使用し、実施パートナーの積水化学工業が光ファイバーセンシングデータを提供します。これにより、線路への落下物や不審者、列車の運行状況をリアルタイムで検知し、事故を未然に防ぐシステムを構築します。

技術の革新性


QuantumCoreは、光ファイバー自体をセンサーとして活用する「光ファイバーセンシング技術」と当社独自のリザバーコンピューティング技術を組み合わせることで、従来の「点」での監視から「線」での監視へ進化させます。これにより、線路全体を隙間なくカバーし、監視の死角を無くすことができます。

リザバーコンピューティングによる高度な解析


利用する「Qore」プラットフォームは、光ファイバー内の微細な光の変化を高精度に解析します。これにより、以下の機能が実現されます:
  • - 線路への落下物(落石や倒木など)の即時検知
  • - 不審者や動物の線路立ち入りの早期発見
  • - 列車の運行状況(速度や位置)をリアルタイムで把握
  • - 通常の列車振動と異常事象を高精度で識別

さらに、システムは省電力のエッジ処理を実現し、必要な時にのみデータを処理します。この技術により、数十キロメートルにわたる線路を24時間体制で監視することが可能になります。

社会的意義と期待される効果


日本の鉄道は世界に誇る安全性を持つものの、自然災害や無謀な立ち入りなどのリスクが常に存在します。本プロジェクトでは、光ファイバーによる全線監視とAI解析を駆使し、以下の成果を見込んでいます:
  • - 事故の未然防止:不審者の侵入や落下物を即座に検知し、列車を安全に停止
  • - 監視の死角をゼロにすることで、全線をカバー
  • - より正確な列車運行管理が可能に
  • - 異常発生時の迅速な対応を実現

将来的には、インフラの劣化診断などにも応用が期待されており、さらに安全で効率的な鉄道運営が図られることになります。

今後の展開


本プロジェクトは、CIC Instituteによる実装支援金や各種サポートを活用しながら進められます。初期段階では落下物検知、侵入者検知、列車運行監視に注力し、段階的に地域のインフラ劣化診断への応用も検討されています。

QuantumCoreは、リザバーコンピューティング技術を駆使し、より安全で効率的な社会の実現を目指してまいります。今後の展開にぜひご期待ください。


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