デジタルダイナミック、福島から分散型AIデータセンターの始動
デジタルダイナミック株式会社が、福島県双葉町に新たな分散型AIデータセンターを構築する計画を発表しました。このプロジェクトは、地域におけるデジタルインフラの強化と、新たな雇用創出を目指しており、2025年の運用開始を予定しています。
背景
デジタル化が加速する現代、AI技術の発展とそれに伴うデータセンター需要は急増しています。しかし、現在のデータセンターは主に都市部に集中しており、大規模災害時や通信途絶のリスクが高まっています。これに対し、デジタルダイナミックは地方分散型のデータセンターを構築することで、これらの課題を解決し、全国規模のデジタルインフラの強靭化を図るとしています。
プロジェクトの概要
今回の事業は、経済産業省の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金制度を活用して進められます。福島県双葉町には、受電規模2MWのコンテナ式のAIデータセンターを新設します。こちらには、NVIDIA製の高性能GPUサーバーを最大100台配置し、生成AIや大規模データ処理に対応したホスティングサービスを提供する予定です。独立した学習・推論用のデータセンターを整備することで、AIの社会実装を加速させ、地域ごとのデジタル格差を是正することも意図しています。
事業の進行状況
この新事業は、2025年の初めに補助金申請が行われ、9月26日に支援事業として採択されました。今後、交付申請の審査を経て、2026年にはデータセンターの運用が開始される見込みです。また、事業全体の投資規模は30億円が見込まれ、JAICデータダイナミクス社が資金調達を行い、最大3億円を日本アジア投資株式会社から得る予定です。
環境負荷と地域経済への影響
今回のデータセンター建設は、環境負荷の低減にも寄与することが期待されています。デジタルダイナミックは、運用に関しても持続可能性を重視し、地域に新しい雇用を生むことで地域経済の活性化に貢献することを目指しています。
JAICデータダイナミクスについて
デジタルダイナミックは日本アジア投資株式会社と共同でJAICデータダイナミクス株式会社を設立し、データセンター事業に取り組んでいます。この合弁会社は、最新のクラウドサービスやコロケーションサービスを提供し、地域分散型のデータセンター網の構築を目指します。
今後の展開
デジタルダイナミックは、この新たなデータセンター事業の成功を通じて、日本国内のデジタル競争力の向上と持続可能な社会の実現に貢献していく意向です。また、今後の拡張計画としては、最大50MWまでの電力供給を視野に入れており、さらなる投資も検討しています。政府や地域との連携を強化し、AI技術の未来を支えるインフラを一緒に実現していくことが期待されます。
地域経済の活性化やデジタルインフラの強化が求められる中、福島県双葉町でのこの取り組みは、確かな一歩となるでしょう。