TKCモニタリング情報サービスが進化
株式会社TKC(栃木県宇都宮市に本社を置く)は、中小企業庁の研究会による報告を受け、地域金融機関との連携を強化するため「TKCモニタリング情報サービス」の普及を進めることを決定しました。このサービスは、中小企業が経営を安定させるために非常に重要な役割を果たすと見込まれています。
モニタリングの重要性
今年3月に公開された報告書では、円滑な事業の再生のための役割分担が求められており、企業は「地域金融機関重点対象」「信用保証協会重点対象」「その他」といったカテゴリに分類されます。特に、経営状況が比較的良好な企業でも、月次巡回を通じて確認を行う士業の重要性が強調されています。地域金融機関と信用保証協会が、融資先企業の財務データを取得することが一層重要になるとしています。
TKCモニタリング情報サービスとは?
このサービスは、TKC全国会の会員である税理士や公認会計士が毎月巡回して監査し、作成された月次試算表や年度決算書などの財務情報を、経営者の依頼に基づき、インターネットを通じて無償で金融機関に提供するクラウドサービスです。金融機関は、このデータを基に融資や保証先の経営状況を判断できるようになります。
利用状況と効果
現在、TKCモニタリング情報サービスを利用する金融機関は497機関に達し、そのうち約90%がメガバンクや地方銀行、信用金庫などです。また、全国にある信用保証協会の中でも、86.2%がこのサービスを使用しているといいます。これにより、より多くの中小企業が安定した経営基盤を築くための支援が実現されています。
具体的なサービス内容
1.
決算書等提供サービス: TKC全国会の会員が顧問先企業から依頼を受け、法人税の申告直後に金融機関に対して決算書や申告書を提供します。
2.
月次試算表提供サービス: これも顧問先企業からの依頼によるもので、月次決算が終了した後、金融機関に月次試算表を提供します。
また、経営革新等の支援機関であるTKC会員による早期経営改善計画書の作成やローカルベンチマークのデータ提供も行っています。これにより、企業は必要なサポートを迅速に受けられる体制が整っています。
TKC全国会とその役割
TKC全国会は、税理士や公認会計士1万1,400名以上で構成されており、巡回監査を行いながら企業の黒字決算を支援しています。優良な電子帳簿を使用し、税の公平性を守ることに努め、優良企業を育成するために様々な施策を推進しています。
まとめ
TKCのモニタリング情報サービスは、中小企業の経営状況を見える化し、適切な支援を行うための重要なツールとなることが期待されています。この活動を通じて、より多くの企業が安定した経営を実現し、地域経済全体の活性化にも寄与していくことでしょう。