東京23区内の中古マンション価格の上昇率調査
最近の市場動向により、不動産業界で特に注目されているのが東京23区内の中古マンションの価格上昇です。株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」が、2020年と2025年のデータを元に行った調査から具体的な価格上昇率が明らかになりました。
上昇率の背景
昨今の新築マンションの価格高騰が、中古マンション市場にも影響を及ぼしています。特に首都圏の物件価格がじわじわと上昇し続けており、LIFULL HOME'Sのデータによれば、中古マンションの価格はエリアごとに異なる上昇率を示しています。2020年の5,000万円未満の駅の割合が全体の約59.7%であったのに対し、2025年にはその割合が17.9%に減少し、反対に5,000万円以上1億円未満の駅が56.2%に増加したことが示しています。
築30年以内の価格上昇率
調査によると、特に築30年以内のマンション価格では、以下の主要なエリアの上昇が目立ちます。
1.
六本木一丁目(港区):3.23倍の上昇率。2020年時点で約2億円だった価格が2025年には約3億3,327万円に達しました。ここは職住近接と静かな住環境が共存するエリアとしても知られています。
2.
豊洲(江東区):2.37倍で、価格は5,239万円から1億2,424万円へと上昇。都心と湾岸の再開発エリアが影響を与え、注目を集めるエリアとなっています。
3.
辰巳(江東区):中央値で約2.09倍。新しい生活スタイルに合わせた利便性の高いエリアとして、特に家族層から支持されています。
5,000万円未満のエリアもしたたかに
一方で5,000万円未満のエリアでも、価格は新基準へとシフトしています。足立区や葛飾区、板橋区では、かつて手の届く存在だった物件が上昇し、今回の調査で1位となった「西台」の価格は1.49倍となり、4,958万円へ到達しました。
価格の高騰は、各エリアの生活利便性や交通の良さが影響を与えており、ブルーカラー層からホワイトカラー層まで幅広い層に支持される市場となっています。
ニーズの増大
この価格上昇の背景には、実需と投資の両面での需要が重なり合っていることがあります。特に東京23区では、中古マンションの“億ション”率が2025年には15.5%に達し、港区や千代田区では多くの中古物件が億ションに分類されています。
結論
今後も、新築マンションの価格高騰が続く中、中古マンション市場への注目が高まり、さらなる価格上昇が予見されます。LIFULL HOME'Sの調査によると、東京都の中古マンション価格は実需と実需以外が交錯する独特の市場状況を持ち、今後の動向にも目が離せません。市場の変動に敏感に反応し、自身のニーズに合った物件を見つけることが重要です。これからの東京23区における不動産の動向に注視していきましょう。