自動充電ドローンが切り開く建設業界の未来
建設現場での作業効率向上や安全性確保が求められる中、革新的な試みが注目を集めています。株式会社Liberaware、KDDIスマートドローン株式会社、そして株式会社大林組の3社による共同プロジェクトは、建設現場に常設された自動充電ポート付きドローンを利用し、目視外飛行による週次の遠隔自動測量を成功させました。これは、国内初の取り組みであり、建設業界に大きな影響を与える技術革新として期待されています。
取り組みの背景
上信越自動車道の北野牧トンネル施工現場では、大きな崖に残る岩塊の掘削作業が行われており、掘削量の管理と現場の安全性が重要な課題となっていました。従来の方法では、測量作業に多くの時間と労力がかかり、作業の効率性が課題とされていました。そこで、自動充電ドローンを導入し、短時間で高頻度のデータ収集を実現する道を選びました。
運用方法とその成果
概要
このプロジェクトでは、大林組がKDDIスマートドローンの遠隔運航サービスを利用。ドローンポートからの自動離着陸、現場全体の空撮、データのクラウド転送がスムーズに行われており、リベラウェアが取得したデータを3次元点群化して進捗を可視化しています。
遠隔測量の実現
これまで、現場でドローンを操縦し、測量結果を得るには2人で2日間かかっていた作業が、今では約20分の遠隔運航で実現可能となりました。人件費や時間の削減につながり、効率的な進捗管理を実現しています。
自動運用による安全性の確保
このドローンは、2024年7月から運用を開始し、1年間無事故での測量を達成しました。現場の安全確認はチャットアプリを用いることで行い、効率的かつ安全に運用されています。
自動化フローの確立
撮影データを利用した3次元モデルの生成、掘削量の算出、進捗の可視化が自動化されており、現場に人を立ち会わせることなく進行状況を管理できる画期的なフローが完成しました。
今後の展望
大林組は、この運用の成果を基に、品質管理や出来形管理にも応用していく予定です。また他の土木工事やダム建設への展開も視野に入れ、さらなる運用の安定性を追求し、自動化技術の進展を目指します。
まとめ
ドローン技術の進化は、建設業界に革新をもたらしました。自動充電ポート付きドローンの活用により、安全性の向上や業務の効率化を図ることで、持続可能な社会の実現に向けた取り組みはこれからも進展していくでしょう。技術が人々の安全と豊かな社会を支える力となることを期待しています。