廃棄物から水素に変える、東京から始まる新たな挑戦

東京都渋谷区に本社を置く株式会社BIOTECHWORKS-H2は、廃棄物から水素を生成し、再生可能エネルギーとして活用する新しい循環経済モデルを推進しています。この度、東京都の社会課題解決型スタートアップ支援事業「Tokyo Co-inNovators」にコンセプト検証支援で採択されました。当社の掲げるテーマは「廃棄物から水素、水素から再生可能エネルギーへ」という壮大なビジョンのもと、環境問題への取り組みとして「ごみゼロプロジェクト」を展開することです。

Tokyo Co-inNovatorsとは？

「Tokyo Co-inNovators」とは、東京都が新たに立ち上げる社会課題解決型のスタートアップ支援事業です。革新的な製品やサービスを有するスタートアップに対し、多様な企業や組織とのマッチングを行い、ビジネスモデルの実証や商品化を支援します。採択されたスタートアップには、実施費用をサポートする制度もあります。

社会課題とその解決法

東京都では毎年数百万トンの廃棄物が発生し、多くが焼却処理に頼らざるを得ない状況です。焼却によるCO₂排出は問題視されており、2050年に向けてのカーボンニュートラル実現には、根本的な対策が必要です。このような中で、水素は新しいクリーンエネルギーとして期待されていますが、生産コストや安定供給が課題です。

BIOTECHWORKS-H2は、この二つの問題を同時に解決するために「ごみゼロプロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトでは、リサイクル不可能な有機廃棄物を燃やさずにガス化し、高純度の水素を生成。その水素を再生可能エネルギーとして地域に供給します。

プロジェクトの内容

取り組みの一環として、専用の廃棄物分別最適化システム「REBORN」を使い、IoTとAI技術で廃棄物の分別を最適化します。これにより、CO₂削減効果や資源循環状況をデータで可視化し、透明性のあるエコシステムを構築しています。今回の支援を受けて、さらなる実証実験を行い、廃棄物処理とエネルギー自給のバランスを取るモデルとしての成果を見極めていきます。

市場ニーズと意義

2020年時点での水素市場は、日本でも2030年頃には約15兆円規模に拡大する見通しです。特に都市型の分散供給モデルは経済成長をもたらす重要な市場として注目されています。BIOTECHWORKS-H2のモデルは、自治体の廃棄物処理費用を削減し、地域のエネルギー問題を解決することで、より持続可能な地域経済の実現に寄与します。

環境インパクトと未来展望

当社の試算によると、1日に200トンの廃棄物を処理できれば、最大20トンの水素を生産できます。これは水素ガスタービン発電に利用することで、最大で約250MWhの電力を生成可能で、約20,000世帯に電力を供給する見込みです。

このようにしてCO₂排出を最大80％削減しつつ、廃棄物処理費用とエネルギー収益の両立を図ります。将来的には、国内外の自治体や企業と連携し、2030年までに商用化プラントを展開することを目指します。

代表者からのメッセージ

株式会社BIOTECHWORKS-H2のCEO、西川明秀氏は、「今回の採択は、私たちのビジョンが北京市民の皆さんにとって必要なものであると認められた証です。私たちは『不可能を可能にする』との信念を胸に、地域のエネルギーを社会に提供することに挑戦していきます。」と語っています。このプロジェクトは東京から始まりますが、全国、さらには世界へと展開していく予定です。