岡山大学のカーボンフットプリント可視化に関するチャレンジ
2025年1月20日、国立大学法人岡山大学は、岡山県商工会連合会および中国銀行と共催で、CO2排出量の可視化に関する成果報告会を行いました。この会議は、岡山大学津島キャンパス内の共育共創コモンズで実施され、およそ60名が参加しました。今回の取り組みは、岡山大学の学生が中心となり、中小企業の製品についてカーボンフットプリントの算定に挑戦したものです。
プロジェクトの背景
この取り組みは、岡山大学と岡山県商工会連合会との連携によって実現しました。昨年度から始まったこのチャレンジでは、学生が企業の製品のCO2排出量を可視化することを目的としています。特に、環境省が採択した「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」の枠組みで進められています。これにより、県内企業の温室効果ガスの排出量を把握し、削減に向けた方策を模索することが求められています。
成果報告会のハイライト
会議では、岡山技研工業株式会社が製造した2種類の製品のカーボンフットプリント算定結果が報告されました。天王寺谷達将准教授の指導のもと、学生たちは経済産業省と環境省が定めるガイドラインに従って、実際に製品のCO2排出量を計算しました。報告会の冒頭、環境省の峯岸律子課長補佐は挨拶し、岡山大学の取り組みが全国の中でも特に模範的であると称賛しました。
その後、学生たちが発表した内容は、参加者から活発な質問や意見を引き出すなど、ディスカッションも盛況でした。学生たちは、環境分野への自分たちの学びの応用ができたことに感謝しつつ、今後のキャリアにも生かしていきたいという意気込みを語りました。
企業側の反応
岡山技研工業の川上哲治専務取締役は、学生たちとの取り組みを通じて、CFPの重要性やそれがもたらす企業価値向上の可能性を認識したと述べました。彼は、原材料の輸送方法や積載率がCO2排出量に影響することを自覚し、それをビジネスに生かしていきたいと意気込みを語りました。
今後の展望
天王寺谷研究室では、来年度も同様のチャレンジを続ける予定であり、地域の支援機関との連携を深めていく方針です。また、岡山大学は昨年7月に環境省から「令和6年度地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」に採択されており、今後も地域と協力しながら脱炭素経営を推進していきます。
この取り組みを通じて、岡山大学は地域全体の脱炭素経営を促進し、持続可能な社会の実現を目指しています。未来を担う学生たちが挑戦する姿勢に、地域社会のさらなる期待が寄せられています。