環境に優しい新世代バルカー「VERDE HERALDO」の竣工
6月某日、愛媛県の今治造船にて、商船三井が発注したLNG燃料を用いたケープサイズバルカー「VERDE HERALDO」の竣工が行われました。この船はJFEスチール株式会社向けに製造され、今後の輸送業務において重要な役割を果たすこととなります。
「VERDE HERALDO」という名称はスペイン語で「緑の先駆者」を意味し、JFEスチールの広瀬政之社長によって命名されました。この名前には、海上輸送においても環境への配慮が求められる現代において、持続可能な発展を目指す姿勢が込められています。
技術と安全性の両立
本船は、長期輸送契約に基づいてJFEスチールの製鉄所へ向けての輸送に従事します。LNG燃料を利用することで二酸化炭素の排出を抑えつつ、安全で確実なサービスを提供することが期待されています。このような環境負荷の低減は、商船三井グループが掲げる2050年までのネットゼロ・エミッションの達成に向けた重要な一歩となります。
現在、商船三井グループは、複数の基盤を整えることで、脱炭素社会の実現を目指しています。その一環として、LNG燃料船の導入を加速し、GHG(温室効果ガス)総排出量の削減に取り組んでいます。また、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」に基づくクリーンエネルギーの導入戦略を推進する中で、この新しいバルカー「VERDE HERALDO」はその象徴的な存在となることでしょう。
航行予定と今後の展望
「VERDE HERALDO」は今治造船を出港後、大阪ガス株式会社の泉北製造所で直接燃料を供給される「Shore to Shipバンカリング」を実施。その後、積地であるオーストラリアに向けて航行します。この新しい船がもたらす輸送サービスは、環境への配慮だけでなく、商業的な安定性をも持ち合わせているため、今後の展開が非常に楽しみです。
全長299.99メートル、全幅50.00メートル、満載喫水18.436メートル、そして210,321トンの載貨重量トン数を有する「VERDE HERALDO」。この新世代バルカーは、次世代の輸送手段として期待され、海運業界における環境への配慮をより一層進めることと信じています。
今後も、商船三井グループは、より持続可能なビジネスモデルの構築に向けて、数々の革新を進めていくことでしょう。「VERDE HERALDO」の動向にもぜひ注目していただきたいです。