浅草地区は、東京を代表する観光地として知られていますが、観光の活性化とともに地域住民の生活環境の調和が求められています。このため、台東区では地域住民や事業者と連携し、持続可能な観光地を目指した新しい取り組みを開始しました。その一環として、観光マナー啓発活動が行われ、スローガンとして「EDO IT!」が掲げられています。このスローガンは、江戸の文化を象徴しつつ、観光客に対して積極的に行動を促すことを目的としています。
観光マナー啓発活動の内容
新たな取り組みでは、観光マナーを向上させるためのさまざまな施策が展開されます。
1.
ごみ袋と啓発リーフレットの配布
令和6年12月1日から、浅草の観光案内所や宿泊施設などで、持ち帰り用のごみ袋と観光マナーを紹介したリーフレットが配布されます。リーフレットは日本語をはじめ、英語、中国語、韓国語で作成されており、わかりやすいイラストも添えられています。
2.
ポイ捨て禁止の啓発活動
浅草地区を巡回するスタッフが移動式のごみ箱を持参し、江戸をテーマにしたコスチュームを身にまとい、観光客に対して楽しくマナーを促す活動を実施します。この活動は令和6年12月1日から令和7年1月下旬までの毎日行われる予定です。
3.
ごみ拾いイベント「清走中」の開催
参加者が楽しみながらごみを拾う「清走中」というイベントも企画されています。これはゲーム感覚で行われ、参加者同士で競い合うことで、ポイ捨て問題への意識を高めることを目指しています。次回のイベントは令和5年1月18日に予定されています。
4.
ごみの組成調査・分析の実施
浅草地区内の道路に投棄されたごみの実態を把握するため、組成調査を行います。これにより、今後のごみ問題対策の基本データを収集し、効果的な施策を立案する素材とします。
5.
デジタルマップによる案内
観光客が必要とするトイレや公衆喫煙所の位置をデジタルマップで確認できるように、QRコードが印刷されたポスターを観光案内所などに展開します。このマップは多言語対応で、観光客に必要な情報を提供します。
6.
行列の緩和実験
人気店での行列が通行の妨げとなることがあるため、番号案内による順番待ちシステムを試験的に導入し、行列の緩和を図ります。この取り組みは令和6年12月から開始されます。
浅草の未来を共に築く
これらの取り組みは、観光客の満足度を向上させるだけでなく、地域住民との調和を目指して行われます。浅草地区が持続可能な観光地として発展するためには、地域の方々と観光客が共に理解し合い、行動をすることが不可欠です。「EDO IT!」のスローガンのもと、地域と観光客が協力して快適な観光環境をつくっていく未来に期待が高まります。浅草を訪れる際には、こうした取り組みの趣旨を理解し、マナーを守りながら楽しんでいただければと思います。